【兵庫】高齢男性、トルコ地震義援金にポンと「５０万円」寄付…「お世話になったからなあ」

トルコ地震の義援金を募っている兵庫県三田市に、高齢とみられる男性から５０万円の寄付があったことが分かった。市役所の窓口で、恩返しの目的を示唆しながら、名乗ることもなく職員に現金を手渡したという。担当者は「額の大きさに驚いたが、善意が本当にありがたい」と感謝する。

市によると、男性が来庁したのは２月１７日午前。市内の公共施設に募金箱を置き、協力を呼び掛け始めてから３日目のことだった。
義援金の取りまとめを担う３階の危機管理課に１人で姿を見せ、「トルコの支援に役立てて」と金融機関の封筒を差し出した。現金を下ろした後、その足で来たようだった。

応対した職員は「ポンとさりげなかった」。封筒の厚みに驚きながら確認すると、５０枚の１万円札が入っていた。男性は名前や連絡先などを一切明かさない。高額なため、入金を確認してもらおうと銀行への同行を求めても「お任せするから」と笑顔で断られた。

ただ、かみ締めるように「災害の時に、お世話になったからなあ」と語っていたという。具体的にいつの災害かは尋ねなかったが、山下栄二課長は「トルコの惨状を前に、世界中から応援の手が差し伸べられた阪神大震災を想起し、今こそ恩に報いる時だと考えられたのかも」と推し量る。

これを含め、三田市の募金には３日現在で約８２万円の浄財が集まっており、山下課長は「物価高騰などでそれぞれに大変な中、市民の温かさを実感する。さらに支援の輪が広がれば」と話している。

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