高市早苗に「新論破王」の声…1カ月続く追及でも見えぬ着地点に関係者「小西さんは何がしたいのだろう」サル解散へ
4/1(土) 9:10配信
みんかぶマガジン
総務省が作成した放送法の「政治的公平性」に関する政府解釈の行政文書が公開され、苦境に立たされるとみられた当時の総務相、高市早苗経済安全保障担当相が反転攻勢に出ている。連日のように国会で続く野党議員の閣僚辞任要求に対し、高市氏は「やましいことがないのに職を辞することはない」と一蹴。自らに関する文書内容は「捏造(ねつぞう)だ」と反論し、野党側に手詰まり感が漂っているのだ。政経アナリストの佐藤健太氏は「追い詰められない野党の甘さが改めて浮き彫りになった。新たな『論破王』の誕生は、岸田文雄首相が再選を目指す来年秋の自民党総裁選にも大きく影響するだろう」と指摘している。
いまだに続く、野党の執拗な高市早苗氏への追及
立憲民主党の小西洋之参院議員が「総務省職員から入手した」と内部文書を公開し、放送法の解釈見直し問題を提起したのは3月2日。総務省は同7日、小西氏が示した文書は総務省作成の行政文書であると認め、野党は「一部の権力者によって都合のいい解釈に放送法が私物化されている」(小西氏)などと1カ月近くも高市氏らを厳しく追及している。
80枚近い行政文書の中身は、2014~15年の安倍晋三政権時代に礒崎陽輔首相補佐官が放送法4条にあるテレビ局の「政治的公平性」をめぐり「1つの番組でもおかしい場合があるのではないか」と問題視。従来の「放送事業者の番組全体を見て判断する」との政府解釈を正すよう総務省側とやりとりしていた、というのがメインだ。
ただ、この間の国会質疑を見ていると、追及の矛先はもっぱら高市氏に向かい、それも文書内容を「捏造」と言い切った点にフォーカスが当てられているように映る。たしかに当時総務相だった高市氏は、2015年5月に「1つの番組」でも「極端な場合」には政治的公平を確保しているとは認められないとの見解を示している。礒崎氏の問題視に端を発し、高市氏の国会答弁までのプロセスがどうだったのかは検証する意味もあるだろう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7424537815cbac9c16d5369a4f1cb94c7e45ce08
引用元: ・【朗報】高市早苗に新論破王の声 [128776494]
そもそも捏造と言ったのは電話の相手側の発言
文書全体を捏造と言ったのではない
そこを民主党もマスコミはずっとスルーしている
官僚は大臣の電話を盗聴でもしてんの?
高市「小西委員が入手された文書の信憑性に、私は大いに疑問を持っています。もし私と安倍総理の電話の内容が文書に残っているとしたら、私の電話に盗聴器でもついてるのでしょうか?大臣室に盗聴器がついてたとしても、安倍総理がなにをおっしゃったのかは入らないはず。まったくの捏造文書だと考えております」
小西氏「捏造でなければ閣僚、議員を辞職するということでよいか?」
高市氏「結構だ」
8年前の話に1カ月も費やす国会になんの意味があるのか
しかし、1カ月近くにわたる論戦は、総務省職員が作成した行政文書の信憑(しんぴょう)性や、自らに関する記述内容が事実であれば議員辞職すると言い切った高市氏の進退ばかりが注目され、本質的な議論が行われているとは言い難い。
2015年5月12日の参院総務委員会における答弁を改めて見ると、高市氏は質問に答える形で「政府のこれまでの解釈の補充的な説明として申し上げるが、1つの番組のみでも国論を二分するような政治課題について、放送事業者が一方の政治的見解を取り上げず、ことさらに他の政治的見解のみを取り上げて、それを支持する内容を相当の時間にわたり繰り返す番組を放送した場合のように、当該放送事業者の番組編集が不偏不党の立場から明らかに逸脱していると認められる場合といった極端な場合においては、一般論として政治的に公平であることを確保しているとは認められないものと考えます」と述べている。
要するに、一方的な政治的見解のみを取り上げ、それを支持する番組は「NO!」であると一般論を並べており、たとえ戦時下の放送であっても国家の “公式見解” のみに偏らないような放送が求められているとの「補充的な説明」に映る。もちろん、従来の「番組全体を見て判断する」との政府見解から見れば、報道の萎縮を招くとの批判はあり得るだろう。
もちろん、そうした観点の議論はあってよい。だが、なぜ8年も前の国会答弁が取り上げられるのかは疑問だ。今回の行政文書は、3月2日に小西氏が「内部文書」として公開してから、存在が公になったことは間違いない。ただ、高市氏の答弁自体は8年前に行われ、誰もが今でも議事録を見ることができる。仮に礒崎氏が総務省側に働きかけた結果、高市氏が「補充的な説明」をしていたとして、どのような問題が高市氏にあるのか今ひとつわかりにくいと言える。
この点、高市氏には思うところもあるようだ。3月23日に知事選の告示を迎えた奈良県を地元とする高市氏は「この時期に、こういったもので私や安倍晋三元首相の名前が使われた経緯がどういうことだったのか、瞬時に理解した」と指摘。その上で「偽造、変造という用語は総務省職員に厳しすぎると考え、『捏造』とかなり配慮して言った」と述べ、自らに関する文書は怪文書の類いであると反論している。
逃げずに真っ向から反論…孤軍奮闘の高市氏は評価されていい
さらに3月24日には自らの公式サイトで、一連の追及に対する反撃を開始した。その中では、2015年5月12日の国会答弁が、礒崎元首相補佐官の影響を受けたものでないことの証明として、同11日に自分と大臣室がやりとりしたメールをプリントアウトし、国会に提出したことを報告。総務委員会前日の同11日に初めて担当課から答弁案を見たとした上で「従来の解釈を変えるものではない」と判断し、当時の総務相として答弁した経緯を明かしている。
また、15年3月6日付の総務省文書には、高市氏が「平川参事官に今井総理秘書官経由で総理とお話できる時間を確保するようその場で指示」との記述があるが、高市氏は「当時の安倍総理や今井総理秘書官に電話をする時は、自分の携帯電話から発信していましたので、平川参事官に依頼する必要はありません」と説明。同3月9日付の「高市大臣と総理の電話会談の結果」とする行政文書については「私は、放送法の条文解釈について安倍元総理に電話したことも、説明を求められたこともございませんので、この文書にあるような電話会談は存在しません」と指摘し「総理と大臣の電話による会話内容を、誰が、どのような方法でメモにできるのか、理解不能です」とつづっている。
閣僚がこのように具体的に、論理的に反論するのは異例だろう。少なくとも「モリカケ問題」のように、何が事実なのか分からないまま時間だけが過ぎることの多い国会において、予算案審議への影響を考えて辞任するのでも、病院に入院するわけでもなく孤軍奮闘する高市氏のイメージは決して悪くはない。
総務省は行政文書を調査した結果、「資料の作成者が不明で、(安倍氏と高市氏の)電話の有無は確認されなかった」とし、礒崎氏と総務省側のやりとりについても「解釈を変えるよう強要されたことはなかったことは確認された」と説明している。行政文書である以上、「作成者が不明」というのはにわかに信じがたいが、少なくとも高市氏が国会答弁から8年近く後になって追及される理由はもはやないのではないか。ちなみに、高市氏は職員による文書偽造の可能性もにおわせている。
「ガラスの天井」を壊すのはこれから…「高市劇場」はまだ続いている
4月の統一地方選や衆参5つの補欠選挙を前にした「高市劇場」は、行政文書にある記述内容の疑問点とともに、追い詰められない野党の姿を露呈した。静観していた自民党内にも「いわれのない非難を受けている高市氏を全力でサポートしたい」(世耕弘成参院幹事長)といった “応援団” も現れている。一時は苦境に立たされると思われた高市氏がこのまま事態を打開すれば、失われかけた求心力は一気に回復する可能性もあるだろう。
野党からの罷免要求に対して「引き続き国会審議に真摯に対応し、丁寧に説明してもらいたい」と高市氏に求める岸田文雄首相にとっても、それは他人事ではない。安倍晋三元首相の死去後、後ろ盾を失った高市氏には「女性初の首相」を目指す道が閉ざされたとの見方も広がっていた。
2021年の自民党総裁選で安倍氏の全面支援を受け、国会議員票は岸田氏に次ぐ2位の得票を得たものの、もはや保守票をまとめられる力はないと見られたからだ。しかし、今回の「高市劇場」での無能力を見れば、ピンチの後にチャンスが回ってくる可能性は十分にあり得る。自民党内からも「どっかの論破王のようだ」との声も上がる。
岸田氏が再選を目指す来年秋の自民党総裁選には、自民党の茂木敏充幹事長や河野太郎デジタル相らの出馬が予想されている。ただ、茂木氏は党総裁(首相)を支えるべきナンバー2の立場であり、立候補するためには少なくとも幹事長職から離れなければならない。河野氏は所属する派閥の領袖である麻生太郎副総裁の理解と協力が欠かせないだろう。その点、無派閥の高市氏には障害がほとんどない。そうなってくると「正直、小西氏は何がしたいのかわからない」(自民党関係者)との声も漏れる。
3月9日に死去した、元宝塚女優で女性初の参院議長を務めた扇千景氏が説いていたように「男社会」の代表とも言われてきた政界で生き抜くには人並み外れた胆力も必要に違いない。高市氏が今回の行政文書をめぐり「捏造だ」「事実なら議員辞職する」と言ったことには冷静さを欠くとの指摘も出ているが、屈しない信念とパワフルさも時に求められているのではないか。「ガラスの天井」を壊そうとする劇場は、なおも続いているように映る。