【緊急事態条項】立民、任期延長の必要性言及　自衛隊明記で自公ずれ―衆院憲法審

衆院憲法審査会は２０日、緊急事態条項創設や憲法への自衛隊明記について討議した。立憲民主党の憲法調査会長を務める中川正春氏は「選挙困難事態における議員任期の特例を憲法に設ける必要が出てくる可能性もある」と述べ、改憲の必要性に言及した。

大規模災害など緊急時の議員任期延長は自民、公明両党と日本維新の会、国民民主党が必要性を指摘している。中川氏は同時に、参院の緊急集会が果たす役割についてまず議論を深めるべきだと訴えた。

自民党の新藤義孝氏は「９条の２」を新設して自衛隊を明記する同党案を改めて説明。公明党が首相の行政各部に対する指揮監督権限を定めた７２条に自衛隊を対象として書き込む案を示していることに対し、「自衛権行使の在り方を定める９条と切り離される」と否定的な見解を示した。

公明党の北側一雄氏は「シビリアンコントロール（文民統制）を明確化する目的であれば、内閣の職務権限に追加規定を設けた方が合致する」と反論。諸外国の憲法でも軍は大統領や内閣の権限に関連して規定されていると主張した。