北朝鮮がこれまで6回、軍事偵察衛星を打ち上げ、うち2回が成功、しかし軍事偵察衛星として稼働が成功したものはないという米軍の見立てなどについて前編記事『北朝鮮・金正恩の軍事衛星が「打ち上げ間近」の可能性…しかし「これまでの成功回数はゼロ」が実態だったと考えられる理由』で触れた。
しかしその後7年間、北朝鮮は同技術を向上させていると考えられ、近い時期に何としてもこれを成功させようとするだろう。では、いつ、どこから、どのようにこの偵察衛星を打ち上げるのだろうか。
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■再び日本海でJアラート発令の可能性
そして、何よりもわれわれが注意しなければならないのが打ち上げる方向である。北朝鮮は衛星の打ち上げに関して4回目以降は、西海(ソヘ)衛星発射センターから南に打ち上げていることから、今回も自衛隊は、沖縄県に地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)などの部隊を展開させているが、これは決して、南に打ち上げることを決めてかかっているわけではない。
日本海方面における、自衛隊法82条(の3第3項)に基づく弾道ミサイル等に対する「破壊措置命令」は、北朝鮮が2016年8月3日に日本海秋田県沖EEZ内へIRBM「ノドン」を着水させたことを受けて、同8月6日以降、(防衛大臣により)常時発令状態(3ヵ月ごとに更新)にある。
つまり、現在自衛隊の弾道ミサイル防衛統合任務部隊(BMDJTF:Ballistic Missile Defense Joint Task Force)は、日本海と沖縄方面の2正面作戦を遂行中であるということだ。
本来、人工衛星は東側に打ち上げることによって、地球の自転速度を有効に利用することができるので、エネルギー効率が良くなり、同じエネルギーでより重い人工衛星を打ち上げることが可能となる。実際に、北朝鮮も3回目までは日本海方面に打ち上げている。4回目以降は、地球観測衛星の打ち上げとしていたため、地球の北極と南極上空をほぼ縦に回る軌道(極軌道)に投入するため、南へ向けて発射したとも考えられる。
北朝鮮の軍事偵察衛星ならば、極軌道に乗せて全地球を効率的に観測する必要もあるまい。東へ向けて打ち上げ、地球を西から東に回る軌道に投入させる方がはるかに容易いことだろう。
南へ向けて発射するものとの思い込みは禁物である。また、日本海方面でJアラートが発令される可能性は十分にある。これに備えて、同アラートが発令された場合の自ら取るべき行動と心構えをしっかり備えておくことが肝要であろう。
鈴木 衛士(元航空自衛隊情報幹部)
5/12(金) 7:13 現代ビジネス
https://news.yahoo.co.jp/articles/c09ab9c77970e8fe5ec0460c6ac07214d3fef94b
引用元: ・近日「日本海方面Jアラート発令の可能性が高い」元空自幹部が警告 [5/12] [ばーど★]
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