SNSで「有名人詐欺広告」がバンバン表示されるのはなぜ？　プラットフォーマーの対策はどうなっているのか

◆「お金を稼ぐ方法を教えます」「完全無料です」
　「本当に困ってますよ。弁護士に手を尽くしてもらったけど、次から次へと詐欺広告がばんばん出回ってしまって…」
テレビでもおなじみの経済ジャーナリスト荻原博子さんは憤まんやる方ない様子で語った。
荻原さんによると、今年6月ごろ、知り合いから「荻原さんの画像が使われた広告がフェイスブックに出ている」と知らされた。見てみると、「皆さんに投資でお金を稼ぐ方法を教えます。
すべて完全に無料です！」などと書かれ、LINE（ライン）の投資グループへの参加を促す内容だった。

「私は投資なんかやめろっていう本を出したくらい投資には否定的で、投資を勧めるわけがない。全部詐欺です」と荻原さん。こうした広告は体裁を変えて何種類も出されたといい、画像もすべて無断で使われていた。
荻原さんは「『30％の利回りが簡単』なんてことも書いてあったが、大うそ。そもそも私はSNSを全く使っていない。絶対にこんな偽広告にだまされないで」と強調した。

◆前沢友作さんも森永卓郎さんも…
　なりすまし被害は後を絶たない。勝手に顔写真などを使われた詐欺広告がフェイスブックなどに大量に出された起業家の前沢友作さんは9月
「Facebook社を責任追及します」とX（旧ツイッター）に投稿。フェイスブックを運営するMeta（メタ）の日本法人にその責任を問う通知書を出した。
経済アナリストの森永卓郎さんや、テレビ東京キャスターの大江麻理子さんらのほか、芸能人も数多く同様の詐欺広告の被害に遭い、注意を呼びかけている。
フェイスブックのアイコン

　こうした詐欺広告は2年ほど前から増えているという。対応を問われたメタ日本法人の味沢将宏代表は昨年9月、「深刻に受け止めている。
AI（人工知能）と人力を組み合わせて（詐欺広告を）落としていく。まだまだ完全にできていないところがあるが、日本で今後も対応を強化する」と報道陣に語っていた。

◆悪質な広告業者の技術力は高い
　しかし、現在も詐欺広告は消えていない。改めてメタの日本法人に見解を問うと、詐欺広告を出す悪質業者が、メタの広告審査システムをすり抜けるため
高度な技術を使っていることを明らかにした上で「詐欺広告の対策は難しい課題。詐欺を防ぐ検出技術の規模拡大に大規模な投資を続けていく」とコメントした。

続きは東京新聞 2023/12/13 12:00
https://www.tokyo-np.co.jp/article/295676