女性服にもっとポケットを　SNSにアパレル業界が共鳴　きっかけは

　きっかけは、東京・羽田空港で1月2日に起きた日本航空（JAL）と海上保安庁の航空機衝突事故だった。JAL機の乗客367人と乗員12人は、緊急脱出用のシューターを使い、衝突から18分で全員が脱出した。「手荷物を持たずに脱出して」という要請に乗客が協力したことが「奇跡の脱出劇」につながった。

　一方で、SNSには「人命が最優先なのは分かる。でも、避難時にポシェットすら持てないのであれば、服にポケットが少ない女性は財布もスマホも持たずに脱出するしかない」といった不安が渦巻いていた。

女性が驚く男性服の多彩なポケット
　女性服に十分なポケットを求める主張は、これまでもSNS上で「女性服のポケット問題」として大きな反響を呼んできた。

　2022年夏には、アパレルブランド「ユニクロ」の人気商品「感動ジャケット」を巡り、SNSの投稿で「男性用にはある胸ポケットと内ポケットが女性用にはない」との不満が上がり、投稿に8000を超える「いいね」が付いた。

　女性服のポケットは小さく、機能性が乏しい――。こうした不満は海外でも上がっている。米国のウェブメディア「ザ・プディング」が18年、米国で人気のある20のジーンズブランドの男女のズボンのポケットを計測したところ、同じウエストサイズであっても女性用の前ポケットは男性用よりも48％浅く、幅は6・5％狭いことが分かった。

　同メディアは「ズボンのポケットが小さすぎて持ち物が入らなかったり、ポケットのような縫い目だけがある『飾りポケット』だったりすることほどイライラすることはない。こうした苦労は女性服を着る人にとって現実の問題だ」と指摘し…(以下有料版で，残り1578文字）

毎日新聞　2024/3/8 11:00（最終更新 3/8 11:00）
https://mainichi.jp/articles/20240307/k00/00m/020/256000c