【社会】なぜ人は危険地域に住み続けるのか…「20年前に集団移転を決意して良かった」

1: ばぐっち ★ 2024/03/20(水) 12:00:26.48 ID:??? TID:BUGTA
新潟県小千谷市の山間部にあり、11世帯41人が暮らしていた「十二平地区」。全戸がニシキゴイの養鯉(ようり)業や農業で生計を立てる小さな集落だ。2004年の中越地震で震度6強を観測し、震災の2年5カ月後、約10キロ離れた土地へ全戸移転した。この秋、中越地震から20年を迎える。当時、集落の意見をまとめ移転を指揮した同地区の鈴木俊郎さん(84)は、「災害危険区域」に指定され住めなくなった古里に今も毎日通う。 04年10月23日午後5時56分、俊郎さんが揺れを感じたのは、越冬用のビニールハウスのいけすに売れ残ったニシキゴイを放ち立ち上がった瞬間だった。いけすの水を全身にかぶり、ニシキゴイは床に散乱。俊郎さんは越冬ハウスごと崖下に落ちたが、奇跡的にケガはなかった。玄関にいた妻マサイさん(82)、入浴中の俊郎さんの父・仲蔵さん(11年に99歳で死去)も無事だった。

自宅は倒壊の危険があると判断し、俊郎さんたちは裏山の頂上を目指した。俊郎さんが裸の仲蔵さんをおぶい、土砂崩れにより山の斜面に露出した杉の根につかまり急斜面を登った。俊郎さんは振り返らずこう言った。「俺はもう住まない。一生住まないよ」。生まれたときから住んでいた故郷を離れる決意を固めた。

地震翌日、全住民がヘリコプターで約10キロ離れた小千谷市総合体育館に避難。約1カ月半後、11戸中9戸が仮設住宅に入居した。

避難後、十二平集落に一時帰宅する機会があった。集落内の道路は至る所で寸断。集落を流れる芋川の上流は土砂でせき止められた。変わり果てた姿を見て、ここに戻る未来を描ける人は少なかった。

その頃、被災自治体を対象とした県主催の集団移転に関する説明会が開かれ、俊郎さんは小千谷市役所を連日訪れるなどして、情報を収集した。頭によぎったのは、1986年に旧堀之内町(現魚沼市)小芋川集落で行われた防災集団移転促進事業(防集)だ。災害の危険性から居住に適さない地域の住民が集団で移転する際に、国が新しい住宅の整備費用などを負担する制度で、5戸以上が移転するなどの条件がある。この事業が適用されるには、元の場所は「災害危険区域」などに指定される必要があり、再び住むことはできなくなる。

2004年12月初旬。仮設住宅入居後、集落の今後を決める会合が始まった。

「出るかどうか決めるのはそれぞれの判断だ。ただどっちかには決めてくれ」。プレハブの仮設住宅に集まった各世帯の代表者に、俊郎さんは切り出した。皆静まりかえり、仮設住宅の天井から結露がぽつぽつと落ちる音が響いた。

5回、6回と話し合いは続いた。俊郎さんは「家族と話したり気持ちを整理したりする必要がある。みんなが腹を決めるまでに時間はかかったが、一人一人に発言してもらった」と当時を振り返る。俊郎さんが住民を説得することはなく、「集落に戻るならその段取りをする」と選択肢を残しつつ各世帯の判断を待った。何十年と住んだ場所を離れることに不安を感じるお年寄りが多かった一方、若い人たちは移転への気持ちが強かったという。

「おら出ることにする」。7回目の会合で、最後まで悩んでいた住民の決意が固まった。05年3月、関広一市長(当時)に集団移転実施の要望書を渡した。経済的な面を心配する声もあったため、市は十二平集落住民を集めた説明会を仮設住宅で開き、国の補助金制度などを説明。膝をつき合わせた率直な話し合いが不安解消の助けになったという。

元日に能登半島地震が起き、今も長期避難を強いられる人たちが多くいる。俊郎さんは「能登の人もこれから集団移転の問題に必ず直面する。住民らがどうするのか決断できるよう、自治体のトップは選択肢を示せるように行動してほしい」と話す。そしてこう続けた。「60年、70年と慣れ親しんだ土地から離れるのはさみしいかもしれない。ただ土地を守りたくても自分の力ではどうしようもない時がある。最後は若い者の意見を尊重するほうがいい」

集団移転の決断から今年で20年を迎える。十二平集落に顔を見せる仲間も減った。それでも俊郎さんは今も毎日車で20分ほどかけ養鯉池がある十二平集落に通う。かつて自宅のあった土地は更地となり人が住めない「災害危険区域」となった。「それが地震だ」とつぶやき、こう続けた。「俺は移転して良かったと思っている」。住民は移転翌年、集落に住んでいた証を残そうと各戸の跡地に屋号看板を立てた。俊郎さん宅の跡地にも祖父の呼び名「じろべえ」を刻んだ石碑が立っている。
https://approach.yahoo.co.jp/r/QUyHCH?src=https://news.yahoo.co.jp/articles/9ed9d738206c0e6b2bd92172662ba289d84c1bf7&preview=auto

引用元: ・【社会】なぜ人は危険地域に住み続けるのか…「20年前に集団移転を決意して良かった」

2: 名無しさん 2024/03/20(水) 12:03:25.21 ID:88CJW
何故人は危険な雪山に登り続けるのか?
6: 名無しさん 2024/03/20(水) 12:34:53.98 ID:X6Glc
東京一極集中だって震災きたら終わるけどな
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