【イリノイ大学シカゴ校研究】新型コロナウイルス感染症は、軽度でも脳を含む臓器に深刻な影響を与え認知障害を引き起こす

新型コロナウイルス感染症から回復中の患者における多くの紛らわしい症状の中には、記憶喪失と学習困難があります。しかし、一般にブレインフォグと呼ばれるこのような認知障害のメカニズムについてはほとんどわかっていません。

イリノイ大学シカゴ校の研究者らは、新しい研究で、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の背後にあるウイルスであるSARS-CoV-2に感染したマウスに神経学的問題を引き起こすメカニズムを特定した。

医学部の解剖学と細胞生物学の助教授であるサラ・ルッツ氏が研究を主導し、その研究結果は学術誌「Brain」に掲載された。

研究チームは、多発性硬化症などの他の神経疾患において役割を果たす血液脳関門に焦点を当てた。

通常、この障壁は血流中を循環する潜在的に有害な細胞や分子から脳を保護します。しかし、感染したマウスは血液脳関門の血管に漏れがあり、記憶や学習に障害があったことが研究者らは発見した。

年齢は新型コロナウイルス感染症に罹患したヒトの認知障害の危険因子であるため、研究チームは研究で高齢のマウスに焦点を当てた。

彼らは特にマウスの軽度の感染症を追跡した。

ワクチンのおかげで、今日のヒトの新型コロナウイルス感染症（COVID-19）症例のほとんどは、重度ではなく軽度の感染症です。しかし、軽度の感染症であっても認知障害を引き起こす可能性があるとルッツ氏は述べた。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックから得た大きな教訓の一つは、軽度の感染症でも脳を含む臓器に深刻な影響を与える可能性があるということだと、ベンジャミン・ゴールドバーグ教授でUIC生化学・分子遺伝学部長であり、本論文の共著者でもあるジャリーズ・レーマン博士は説明した。

「脳に影響を及ぼす可能性のある呼吸器感染症については、さらなる研究が必要だ」とレーマン氏は述べた。

https://www.news-medical.net/news/20240321/Researchers-identify-mechanism-behind-COVID-19-related-brain-fog.aspx