中高年期に甘味飲料や炭酸飲料など糖分を含む飲み物を多く飲む人はうつ病になるリスクが高く、ブラックコーヒーでは低いとする分析結果を、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)のチームが栄養学専門誌に発表した。
チームは、国内の7県に住む人を対象に2011年から行われている次世代多目的コホート研究で蓄積されたデータを活用。16年までにうつ病などになっていない40~74歳の約10万人の調査結果と、そのうち5年後にうつ病と評価された人のデータを踏まえて、飲料の種類と摂取量、うつ病の発症リスクを調べた。
その結果、甘味飲料、炭酸飲料、野菜・果物ジュース、砂糖入りコーヒーを多く飲む人は、それぞれ全く飲まない人と比べてうつ病のリスクが2・3~3・6%高く、ブラックコーヒーを多く飲む人は逆に1・7%低いとの結果になった。
摂取量については、少ない、中ぐらい、多いの3段階で全く飲まない人と比べたうつ病のリスクを評価しており、おおむね量が多いほどリスクの増減が大きくなった。
これまで、野菜や果物自体はうつ病の予防効果があるとされてきたが、ジュースで代用すると逆効果である可能性が浮かび上がった。コーヒーは砂糖入りかブラックかでうつ病への影響が正反対になることが示された。
チームによると、糖分は脳神経に栄養となるタンパク質を減らし、炎症作用もあるとされ、他方、コーヒーに含まれるカフェインの抗酸化や抗炎症といったプラス作用が影響した可能性がある。
チームの成田瑞・同センター精神機能研究室長は「全体としては糖分を含む飲料の摂取を控えることがうつ病の予防にはよいと考えられる」と話している。
共同通信 2024年08月20日 00時00分
https://www.47news.jp/11236867.html
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