2024年8月21日 7時0分
スポーツ報知
女優・吉永小百合(79)が来秋公開の新作映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」(阪本順治監督)に主演することが20日、分かった。世界最高峰のエベレストに女性世界初登頂(1975年)した田部井淳子さん(2016年死去、享年77)をモデルにした主人公を演じる。今年、映画女優デビュー65周年を迎え、今作が124本目。危険な山岳シーンに備え、低酸素トレーニングにも励み、命懸けで撮影に臨む。阪本監督とは13年ぶり2度目のタッグ。公開年は田部井さんのエベレスト登頂から50周年にあたる。
吉永が世界的な女性登山家「田部井淳子」に挑む。今年、映画デビュー65周年の吉永が、何度も「まだ話せなくて」ともどかしさを見せていたのが、この作品だった。先の公の場ではジムに通い、1日60回のスクワットを欠かさないことや124本目の次回作を「体を鍛えなければいけない役」と明かしていた。「てっぺんの向こうにあなたがいる」は、女優人生で最もハードな役となる。
関係者によると、田部井さんをモデルにした企画は吉永の希望も反映させたという。2012年に2人はラジオで対談。挑戦し続けた田部井さんの言葉は新鮮で力があり「明るくて、楽しいお話をいっぱい聞かせてくださいました」と忘れたことがなかった。
撮影は3000メートル級の高峰も予定。吉永も登山の経験はあるが、過酷な環境に備え、高所順応テストを受け、都内の専門施設で「低酸素トレーニング」を重ねた。また14日に行われた撮影の安全祈願では、在りし日の田部井さんを思わせるベリーショートヘアで姿を見せたという。撮影は18日にクランクインしたばかりで11月末まで続く。
名匠・阪本監督とは「北のカナリアたち」以来となる。同作は酷寒の北海道・利尻島でも撮られたが、今回も極限状態での撮影となる。吉永が「阪本監督のもと、『世界の淳子』役に全力で挑戦します」とコメントすれば、阪本監督も「吉永小百合さんと再びご一緒できることの喜び」と高揚感を表現。そして「しかも、田部井淳子さんの人生を基にした山と家族の物語。宮本武蔵の五輪書よろしく、ガレ場(岩の重なった場所)の荒野に真っすぐな道を築くような力技。みんなで、頑張ります!」と力を込める。
また田部井さんの息子、進也さんは「映画を通じ、母のような女性がいたことを知っていただけたら幸いです」と願う。公開は、エベレスト登頂から50年になる来秋。これまで大手映画会社が吉永作品を手掛けてきたが、今作は木下グループが企画・製作を担当する。
◆女性登山家ほとんどなし 〇…邦画で山の映画は三船敏郎主演「銀嶺の果て」(47年、谷口千吉監督)、高倉健主演「八甲田山」(77年、森谷司郎監督)、浅野忠信主演「劔岳 点の記」(09年、木村大作監督)など他にも多くある。一方で1人の登山家を扱ったもので有名なのは西田敏行主演「植村直己物語」(86年、佐藤純彌監督)と少なく、女性登山家の映画はほとんどない。ちなみに「てっぺんの向こうにあなたがいる」という15文字のタイトルは吉永主演作では最長(サブタイトル除く)。
◆田部井 淳子(たべい・じゅんこ)1939年9月22日、福島・三春町生まれ。69年女子登攀(とうはん)クラブ設立。75年世界最高峰エベレスト(8848メートル)に女性として世界初登頂。92年女性世界初の七大陸最高峰登頂者に。1男1女の母でもありながら、生涯76か国の最高峰・最高地点に登頂した。2016年10月20日、腹膜がんのため77歳で死去。
引用元: ・【映画】吉永小百合、来秋公開主演映画でエベレスト女性初登頂の田部井淳子さん役 3000メートル級高峰で撮影予定 [征夷大将軍★]
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