パリ五輪の最中は「オリンピックでも見てなさい」、それが終わった後は「甲子園でも見てなさい」です。長期つみたて投資をしている人にとっては、短期的な株価の上下はほとんど関係のないこと。相場なんて見ずに、オリンピックや高校野球を見ていればいいんですよと伝えたかったのです。
そもそも新NISAを活用してつみたて投資をするということは、株価の上下に振り回されずに少しずつお金を増やしていきましょうというものです。最初に額などを設定しさえすれば、後は株価が暴落しようが高騰しようが、すべきことは何もありません。
だから、特に興味がある人でない限り相場を見る必要もないのですが、今回の乱高下に驚いて狼狽売りしてしまったり、新NISAをやめてしまったりした人も少なくありませんでした。
日本人は元来まじめなせいか、つみたてでも「投資をする以上は相場を見なきゃいけない」と思い込んでいる人もいるようです。相場を見ないなんてサボっている、怠けていると感じてしまうようです。でも、そんなことはまったくありません。
相場とどう向き合うべきかは、投資スタイルによって大きく変わってきます。乗り物で例えるなら、長期つみたて投資は電車に乗っているようなもの。
電車では、乗客が一生懸命前を見ていても運行の役には立ちませんよね。周囲を見て安全に運行するのは運転士の仕事であって、乗客にできることはほとんどありません。同じように、相場を見続けていてもできることは何もないのです。
他にも、僕が初心者の方に知っておいてほしいと思う言葉を4つ紹介します。
まずは「相場は明日もある」。以前、資産運用の会社にいたときに上司や先輩からよく言われた言葉です。買いどきや売りどきを1回逃したとしても相場は明日もあさってもある、だからチャンスは必ずまた来るという意味です。
これは、1度のミスで怖くなってやめてしまったりリスクの取り方を誤って一撃で退場を余儀なくされるようだと、次のチャンスを逃すことになりますよという意味でもあります。
今回の暴落で投資断ちするのもアリだとは思いますが、今成功している人も負けは何度も経験してきています。それでも現在があるのは、負けても退場しなかったから。
僕は、投資で勝つにはこの「退場しない」がとても大事だと思います。
「もうはまだなり まだはもうなり」も、よく言われている格言です。株価は、もう下げ止まるだろうと思ったらまだ下がったり、
まだ上がるだろうと思ったらもう天井だったりと、投資家の思惑とは逆の方向へ動くものだということです。
どこが下げ止まりでどこが天井かなんて、どんなにすごい投資家でも予測できません。だからこそ初心者にとっては、予測のいらない長期つみたて投資が最適解になるわけです。
ですから、つみたて投資を始めたい、あるいは再挑戦したいと思っているのなら、来るかどうかわからないタイミングを待つのではなく、すぐにでも始めたほうがいいでしょう。
とくに今回の暴落で売却してしまった人は、次の底値を待ちたいと考えるかもしれません。その気持ちもわかりますが、つみたて投資は期間が長くなるほど複利の効果がでます。
始めた後に底値が来ても、「関係ないよね」と割り切る姿勢が必要です。
そもそもNISAの制度が20根30年後に非課税で残ってるかの方も怪しいしな