同年11月に受けた人間ドックで影が見つかり、精密検査を経て確定診断に至ったという。当面は入院せず仕事を継続する一方、新規の仕事はストップして抗がん剤治療を開始するという選択をした。
その後、森永さんは保険適用の標準治療(オプジーボ等)に加え、がんの延命治療として「血液免疫療法(NK細胞療法)」などの自由診療を選択。全額自己負担となる自由診療に対し、月額約100万円、総額2000万円以上を費やしたことを明かしている。
原発不明がんは、がん全体の約1~5%を占める。精密検査を行っても最初にがんが発生した臓器が特定できないことに、この病名が由来する。多くは発見時に他の臓器や骨へ進行・転移した状態(ステージ4)であり、手術による切除が難しく、抗がん剤治療や緩和ケアが中心となる。
森永さんは2025年1月に67歳で亡くなり、2024年にステージ4Bを公表していた山田さんは2026年7月に死去。67歳だった。約30年前に出会ったふたりは、同年代でヘビースモーカー、無類の収集癖という共通点から親交を深めていた。
2024年に山田氏が同じ病と診断された際には、深夜にメールで闘病の助言を求め、互いに励まし合ったという。NHKでの対談が企画されていたが、森永さんの容態急変により叶わなかった。
だが、亡くなる前日まで執筆やラジオ出演を続けた森永さんの生き方を、山田さんは自身のYouTube番組で「あっぱれ」と称賛。闘病のバトンを受け取り、長生きしてみせると誓っていた。
闘病のスタンスにおいて、高額な自由診療を選択して発信を続けた森永さんに対し、山田さんはがん保険の重要性や標準治療ベースの予後を冷静に語るなど、それぞれの考え方、アプローチで病と向き合った。
このように、個人の選択や評価を超えて、現在のがん医療における「原発不明がん」の治療法は大きな転換期を迎えている。
従来、原発巣が特定できないがんは治療選択の難しさが大きな課題とされてきた。しかし近年では、がん組織や血液を用いて遺伝子変異を調べる「がんゲノム医療(がん遺伝子パネル検査)」が普及。
発生臓器が分からなくても、特定の遺伝子変異に合わせた分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を保険診療内で使用できるケースが増えている。
山田さんも実際、がんゲノムパネル検査を受検。患者としての実体験をもとに、「がんゲノム検査をもっと身近に」と体験を発信していた。
標準治療と自由診療について、改めて見てみよう。
・標準治療(保険診療):科学的根拠(エビデンス)に基づいて効果と安全性が証明された最善の治療法。ガイドラインに基づく薬物療法と、早期からの緩和ケアを並行して行うことが現在の基本方針となっている。
・自由診療(保険外診療):選択肢を広げる側面はあるものの、多くは治験データとしての科学的根拠が不十分で高額な自己負担を伴う。自由診療を優先するあまり標準治療の機会を逃すリスクも懸念されており、専門医との慎重な相談が不可欠とされる。
ふたりが示した異なる向き合い方は、難治性がんと闘う人々にとって「いかに自分らしく生き、選択するか」という重要なテーマを投げかけた。
がんには、それぞれに個性があり、どの治療が正解かは、それぞれの病態により異なる。納得がいく治療が行えるように医師とよく相談することが肝要だ。
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/zak2/entertainment/zak2-NGE5J2RY6FGXXBAJJC3Q2B2HVU
引用元: ・【ヘビースモーカー、ともに67年の生涯だった】評論家、編集者でタレントの山田五郎さん(1958年生まれ)と経済アナリストの森永卓郎さん(1957年生まれ)が示した標準治療と自由診療の選択

