【米カリフォルニア大学発見】 新型コロナウイルスに感染しても症状がない人に多い遺伝的な特徴

免疫の型を決める分子「HLA」が特定のタイプの人は、感染後も無症状の可能性が通常の約8倍だった。感染症の仕組みを理解することで効果的なワクチン開発などにつながるとしている。

研究成果は英科学誌ネイチャーに掲載された。

HLAの詳細な遺伝子配列が分かっている骨髄ドナー（提供者）の登録者約3万人を対象に調べた。このうち、2021年4月末までに新型コロナの検査で陽性になったワクチン未接種の白人約1400人を調べた。

無症状だった約140人のうち、HLAの「B15」という部分の遺伝子配列が特定のタイプだった人は約20%だった。症状があった人の中では約9%にとどまり、このタイプの人が無症状になりやすいことが分かった。

対になっている遺伝子の両方がこのタイプの人は、他のタイプの人よりも約8倍、無症状になりやすかった。

この特定のタイプの人は、新型コロナへの感染前からコロナウイルスのたんぱく質の一部に反応する免疫細胞を持つ傾向があることも分かった。

別のコロナウイルスに感染した際、新型コロナのたんぱく質と似た部分をHLAが捉えて免疫を得ていたとみられる。

このため新型コロナの増殖を抑えやすく無症状になりやすい可能性がある。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC182YX0Y3A710C2000000/#:~:text=%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A

Nature 2023年7月20日
https://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/14583

感染症：SARS-CoV-2の無症候性感染の遺伝的基盤