2023年10月22日
X上で、漫画家の原稿料について「安すぎるのではないか」「値上げすべきだが、出版社も原稿料を上げることは難しい」など、さまざまな意見が飛び交っている。漫画家の原稿料はどのように決まり、どのようなタイミングで上がっていくのか。J-CASTニュースは専門家に取材した。
発端となったのは、漫画家の「年収の低いアシスタントを守るためにインボイス(適格請求書)制度に反対する」という旨の声を紹介した投稿だ。これに対し「アシスタントを低い年収で使い潰しているのは発注者である漫画家の方」とする反論が投稿されると、さらに「漫画家は原稿料だけでは生活費やアシスタント代を賄えない」「漫画家を責めるのではなく、(漫画家に発注している)出版社に対して声を上げるべき」「出版社も不況の中、儲けが少ない漫画に対して原稿料の値上げをするのは難しいのでは」などとする意見が寄せられた。
漫画家の原稿料はどのように決まっていくものなのか。複数の大手出版社で女性漫画誌の編集者をしていた 経歴を持つ、京都精華大学マンガ学部専任教授の三河かおりさんは、J-CASTニュースの取材に対し「原稿料はデビューした時に編集部ごとに決まっている価格が適応されます」とし、次のように説明した。
「見開きマンガで将来単行本化の可能性がある媒体(出版社など紙媒体のレーベルを持っている編集部など)の相場は7000円から8000円。紙媒体を流通させていないWEB媒体(ITベンチャー企業が運営しているマンガサイトなど)は出版系よりもデビュー時の原稿料が多少高め(1万円くらい)な傾向があります。
デビュー時はだいたい同じくらいの値段ですが、その後は、漫画家のキャリアの長さやヒット作の有無によって、かなり差が生じます。ヒット作がないと1万5000円程度で頭打ちになって、原稿料が上がっていかないという印象があります」
中略
「原稿料を支払う側も慎重になる」出版社の事情は
三河さんは、現状の漫画業界は一部の限られたタイトルだけが売れている状況だとし、原稿料の値上げが難しい出版の事情を次のように説明した。
「現在は電子出版で持ち直してきていますが、日本のほとんどの漫画は、紙の媒体を持つ編集部で(漫画家へ依頼され)制作されています。電子を含めて漫画が売れるようになり、昨年は業界的には戦後最高額の売り上げとなりましたが、限られたタイトル(『鬼滅の刃』『進撃の巨人』、最近だと『ブルーロック』『東京リベンジャーズ』など)だけが異様に売り上げを伸ばしている状態です。そのほんの一握りに入らないほとんどの作品においては、売れ行きが回復していません。
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現在は、ごく一部以外の漫画は『売れていない』状況です。SNSでバズっても話題になることがすなわち売れていることとは言い難く、収入増には直結しません。
爆発的に売れている作品の連載が終了したら、大きな額の収入が失われることになるので、原稿料を支払う側も慎重になると思うのです。メガヒットのほとんどが、集英社、講談社、小学館の大手出版社から発売されています。大手出版社では独立採算制を採択していることが多く、編集部ごと収支の採算をするとなると、売れている作品の連載が終了してしまったら、いきなり赤字になることもままあります。
私が在籍していた女性マンガジャンルは、マーケットが少年誌や青年誌よりもかなり小さく、人気連載が途切れてしまった2~3年を持ち堪えられずに休刊した雑誌も少なくはありませんでした。潤っているように見える漫画業界ですが、紙の雑誌が売れなくなり、幼年誌もなくなり、子ども達が漫画を読まなくなってきています。電子書籍が売上を伸ばしてきているとはいえ、漫画を読む世代の年齢が上がっていけば、漫画を読む人口も少なくなります。そのように、将来に向けて『先細っていく』感覚が現場にあって、原稿料を上げることに前向きにはなれないのではないでしょうか。
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引用元: ・「原稿料だけで生活できない」漫画家の嘆き、インボイスで注目 専門家警鐘「業界が改善しなければ日本の漫画文化は衰退」出版社の事情は [muffin★]
全部手塚治虫のせい
また別の漫画が乱立する今の構造じゃインボイスどうこう
以前に衰退していくよ俺はこれから新たに新作を単行本買いたいとは思えなくなってきた
この連載様子見が増えると負のスパイラル
インボイス反対運動が広がらなかったのは、漫画家を利用した共産党系の運動に支持が集まらなかったから。
普通に全体の減税論に行けばよかったものを。