バイオ医薬品会社のマインド・メディシンは7日、合成麻◯LSDを使った全般性不安障害の治療薬「MM120」について、
臨床試験で有望な結果が出たことを受け、米食品医薬品局(FDA)の画期的治療薬(ブレークスルー治療薬)に指定されたと発表した。マインド・メディシン最高医療責任者を務める米タフツ大学医学校のダニエル・カーリン氏は、ブレークスルー指定について
「満たされていない医療上のニーズを満たす臨床効果が実証された」とコメントしている。
MM120は今後、フェーズ3臨床試験などFDAの標準的な承認手続きを経る必要がある。
しかし今回の指定は「FDAが医薬品開発に積極的にかかわるという申し出」だとカーリン氏は説明した。
同社以外にも、麻◯成分サイロシビンを使ったうつの治療薬と、合成麻◯MDMA(通称エクスタシー、モリー)を使った心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療薬が、
それぞれFDAのブレークスルー治療薬に指定された。
マインド・メディシンによると、MM120は投与量の実験を目的としたフェーズ2bの臨床試験の結果、
1回の投与で12週間後に全般性不安障害の寛解率が48%に達した。
カーリン氏は「多くの患者で、現在の標準的な治療の2倍を超す臨床症状の改善がみられた」と述べ、
中程度から重症まであらゆるレベルの患者の症状が改善したと説明。
現在の標準的な治療は全て時間がかかり、患者の費用負担も大きいと指摘した。
今回の研究の主目的ではないものの、MM120にはうつの兆候を改善する効果も見られたといい、
「うつの症状が急速かつ確実に改善した」(カーリン氏)としている。
臨床試験に使ったMM120は、禁止薬物として出回っているLSDと違って「バッドトリップ(不快な幻覚作用)」を引き起こさないとカーリン氏は説明。
「LSDは純度の高い製造が難しく、光や水で瞬く間に劣化する傾向がある」
「我々はこれを医薬品業界の基準に従って製造し、純度と安定性を高めた。これは決定的な違いだ」と強調する。
副作用については、被検者が軽度から中程度と評価する症状があった。
ほとんどは試験の当日に、陶酔感、錯覚や幻覚、不安、異常思考、頭痛、めまい、吐き気、多汗、嘔吐(おうと)、
皮膚のしびれやピリピリ感、瞳孔拡張などの症状が表れた。
MM120の臨床試験は2022年8月から始まった。
カーリン氏によると、医療現場でLSDの研究が行われたのは約40年ぶりだった。
1940年代から50年代にかけては、がんの不安、アルコール依存症、うつ、合成麻◯の使用による障害、PTSDなどの症状に対する効果を検証するため、
何万人もの患者がLSDなどの向精神薬を使用した。研究者は「心理療法を短縮させる新たな手段」になり得るとして幻覚剤に期待を寄せた。
しかしハーバード大学で心理学を研究していたティモシー・リアリーとリチャード・アルパートの両氏が学生にLSDを使用させていたことが発覚して
63年に解雇されると、幻覚剤使用の研究はすたれていった。
引用元: ・【医療】不安障害の患者にLSD投与、1回で即効性と持続性確認 FDAが「画期的治療薬」に指定 サイロシビンやMDMAも [ごまカンパチ★]
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