女性芸能人らが合宿生活を送りながら、歌やダンスの実力を舞台で競う芸能リアリティーショー
「乗風波浪的姐姐(通称・浪姐 ランジエ)」は、シーズン毎に再生回数が1億回を超える中国の超人気ネット番組。
その新シーズンに、日本の国民的アイドルグループの元「不動のセンター」が出演予定であることを、
中国の複数のメディアが伝えていた。
3月1日付けの中国メディア『捜狐娯楽』によると、関係者から流出したとみられる出演予定者リストの海外アーティスト枠に
元AKB48の前田敦子(32才)の名前が記載されていたという。
また、番組サイドも前田に出演オファーをしていたことを認める発言をしていたことから、
中国では「確定情報」として受け止められていた。
「いわゆる『普通の子』が大集団で歌って踊るAKB48は、当時の中国では目新しく、その中心メンバーだった前田さんには、
中国でも今なお大勢のファンがいます。
そんな彼女が今最も勢いのある人気番組に出演するとあって、SNS上では大きな話題となっていました」
(中国芸能事情に詳しい周来友氏)
ところがその後、雲行きが怪しくなった。中国のSNS上で、前田が出演を取りやめたとする情報が拡散。
さらに中国メディアも、「前田の出演はなくなった」と報じ始めたのだ。
そして前田本人も、『週刊文春』の取材に答える形で、スケジュール上の理由から出演を断念したことを明らかにしている。
一方、中国国内では別の理由も報じられている。3月4日付の大手中国ネットメディア「網易」が伝えたところによると、
前田の出演が叶わなかった背景には、「彼女と『靖国神社』『自衛隊』との関わりがある」という。
同記事では、前田はAKB48時代の2006年、靖国神社で行われた桜フェスティバルでライブを行ったことや、
2009年6月に防衛省・自衛隊の広報雑誌『MAMOR(マモル)』の表紙や特集ページに登場していたことを指摘。
そのことが、一部の中国のインターネット民に「日本の軍国主義に加担した過去」などと非難され、
「出演させるべきではない」という意見が番組サイドに寄せられた結果、「前田は辞退せざるを得なくなった」としている。
「SNSを見る限り、前田さんの出演取り消しを求める声はそれほど多かったようには見えません。
番組側の過剰反応のようにも感じますが、反日ナショナリズムの火種は何かの拍子に急に燃え盛ることも少なくありません。
莫大な予算で人気芸能人をキャスティングしている番組だけに、放映中止のリスクはわずかでも取りたくなかったのでしょう」
(前出・周氏)
「網易」の記事の真偽は不明だが、中国ではナショナリズムがキャスティングに影響を及ぼすことがあるのは事実だ。
2021年には『鬼滅の刃』の胡蝶カナエ役として知られる女性人気声優、茅野愛衣も同じく「靖国」を理由に、
中国市場から排除されている。
茅野自身が、靖国神社でCDのヒット祈願を行ったことを語っていたYou Tubeの音声番組が翻訳付きでインターネット上で
拡散された結果、中国で配信されている彼女出演の美少女ゲーム複数本が、配信中止に追い込まれたのだ。
前田や茅野にとってみれば、中国サイドの言い分は“イチャモン”というレベルではないだろうか。
日本の芸能人の間でも、中国の巨大エンタメ市場への進出を目指す動きは活発化している。
しかし、反日ナショナリズムに起因するこうした中国特有のキャンセルカルチャーに突如巻き込まれるリスクは、
日本人である限り常に付きまとうことになりそうだ。
取材・文/広瀬大介
NEWSポストセブン 3/10(日) 11:15配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/cf57c6404eb5d535f0ea233a713056bd36eedec7
引用元: ・【前田敦子】出演とりやめの真相 中国人気番組出演で取り沙汰された「靖国神社」「自衛隊」、チャモンなチャイナリスク[3/10] [仮面ウニダー★]