【特集】倒産した父の会社名を冠し、電機屋の作業着で演奏するユニークな兄弟

日本のアート・ユニット「明和電機」を企画したのは、土佐正道と信道の兄弟だ。彼らを説明する言葉は、パフォーマー、発明家、物理学マニア、アート界の成功者、ミュージシャンとたくさん浮かぶが、けっして一つには収まらない。土佐兄弟は、父親が過去に設立した会社名をユニット名にした。
工場主だった土佐の父は、電子部品を製造し、パナソニックや東芝のような電子機器ブランドに供給していた。しかし1979年、オイルショックの影響で、会社は最終的に倒産した。
音楽やアートの才能にあふれた息子達は、父親の歴史を埋もれさせることを選ばなかった。結成したバンドに、父の会社名を付けたのだ。
土佐兄弟は、父親の会社とその影響に囲まれて育った。家庭環境に影響されて、2人は電子部品に興味をそそられるようになった。年齢を重ねるうちに、自分たちが非常に音楽好きであることを悟った彼らは、ついには楽曲や楽器への情熱を物理学と結びつけようと決意した。
土佐兄弟は、エンジニアだった父の血が自分たちに受け継がれていることを自覚している。アーティストとしては、かなり以前に、観客の前で自己表現する難しさに気付いた。彼らは自らに制限を掛けないように、電機店のスタイルを採用し、「明和電機」を誕生させた。

電機店の作業着を纏って
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