https://www.sankei.com/article/20220829-UJ2LXVH5C5PLFJYYACDIN6CRJ4/
トラック最大手、日野自動車の不正が、さらに拡大した。
これまでの検査不正を受けて国土交通省が立ち入り検査を実施し、小型トラックでも同様の不正が繰り返されていたことが新たに判明し、国内で販売していた大半の車種が出荷できない異常事態に陥っている。
日野は今月初め、検査不正を受けて外部有識者による特別調査委員会の報告書をまとめた。報告書は、役員が無理な開発目標を掲げ、意見を言えない社風によって現場が不正に手を染める原因となったと指摘していた。
社内調査で見逃された不正が新たに見つかったことで、これまでの調査や点検に対する信用も大きく揺らいだ。こんな体たらくで本当に会社再建ができるのか。そう疑いたくもなる。
改めて徹底した社内調査を実施し、検査不正の全容を正確に把握する必要がある。そのうえで経営陣の刷新を含めて経営改革を断行しなければならない。
日野ではこれまで、大型・中型トラックのエンジン性能に関する試験データなどを改(かい)竄(ざん)していたことが判明していた。国交省の検査で分かった小型トラックのエンジン試験の不正では、排ガスの測定が定められた回数よりも少なかったという。
この不正発覚を受け、日野は該当車両の販売を停止した。これにより同社は国内市場でトラックのほぼすべての車種が販売できなくなった。国内生産に与える打撃は大きく、下請けメーカーにも影響が広がりつつある。
中大型トラック向けと同じ検査不正が、小型トラックでも繰り返されていたことになる。社内調査では、なぜ小型トラックを調べなかったのか。そこに不正を矮(わい)小(しょう)化して早期の幕引きを図る意図はなかったか。
国内首位の日野のトラックが市場から消える影響は大きいが、不正を徹底検証し、有効な再発防止策が講じられるまで同社の販売を再開させるべきではない。
日野に歴代社長を送り込んできた親会社のトヨタ自動車は、共同出資会社から日野を除名し、日野出資分の株式を買い取るという。トヨタの豊田章男社長は「現状では、日野がいることで皆さまにご迷惑をかける」と述べた。
それなら、トヨタ側の責任も明確化すべきである。
引用元: ・【自動車】日野自の販売停止 会社の再建はできるのか [七波羅探題★]