第6回
もしもPayPayで給料を受け取っていた家族が亡くなってしまったら…「給与デジタル払い」の残高は相続できるの?
古田雄介2022年10月14日 06:50
「○○ペイ」への給与振り込みが解禁へ
2023年春から給与のデジタル払い――キャッシュレス決算サービス、いわゆる「○○ペイ」への給与振り込みが解禁される見込みです。給与は現金で支払うことが労働基準法で定められており、唯一の例外として金融機関の口座への振り込みが認められています。その第二の例外として○○ペイが選べるようになるわけです。
今後は固定給の一部を○○ペイで受け取る会社員や、短期労働の稼ぎを○○ペイに貯めるスポットワーカーが珍しくなくなるでしょう。すると、○○ペイを預金口座のように利用するケースも増えていきそうです。
そこで思い出されるのが、「○○ペイの残高って相続できるの?」という質問です。
デジタル終活に関する講演などをしているとさまざまな相談をいただきますが、この質問は、数年前から定番のひとつになっています。
では、○○ペイの残高は相続できるのでしょうか。できるとしたらどんな手続きが必要になるのでしょうか。いまのうちに押さえておきましょう。
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故人がこの世に置いていった資産や思い出を残された側が引き継ぐ、あるいはきちんと片付けるためには適切な手続き(=プロトコル)が必要です。デジタル遺品のプロトコルはまだまだ整備途上。だからこそ、残す側も残される側も現状と対策を掴んでおく必要があります。何をどうすればいいのか。デジタル遺品について10年以上取材を続けている筆者が、実例をベースに解説します。
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基本――相続できるのは電子マネー。企業ポイントは難しい
故人が残した○○ペイは、一般的に相続可能です。ただし、全てが対象ではなく、残高のみとなります。
サービスのアカウントの相続性は提供元が定めたルールで決まりますが、主要サービスはいずれも相続不可。購入履歴や各種の設定なども含めて、契約者の死とともに使う人はいなくなるという設計です。
また、残高のなかでも相続できないものもあります。
少しややこしいのですが、○○ペイには性質の異なる“マネー”がいくつかあり、できることや守られる枠組みが変わります。
PayPayを例にとりましょう。PayPayの残高には「PayPayマネー」と「PayPayマネーライト」「PayPayポイント」「PayPayボーナスライト」の4種類があります。
PayPayマネーは銀行からの振り込みや「PayPayフリマ」の売り上げなどからチャージできる、フルスペックの電子マネーです。所定の方法で本人確認を済ませると利用できます。PayPayマネーライトは本人確認を済ませていない電子マネーで、チャージや支払いは可能でも、出金や送金などはできません。相続が認められるのはこの2つです。
残るPayPayポイントとPayPayボーナスライトは、キャンペーンの特典などで得られる企業ポイントに該当します。広告チラシについているクーポン券などと同じく、企業側が決めたルール内でマネーに近い使われ方ができるだけで、厳密にはマネーではないのです(なお、PayPayポイントはアカウントが存在する間は無期限で保有でき、PayPayボーナスライトは期限付きで付与されるという違いがあります)。
PayPay残高の種類
https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/tengoku/1446818.html
引用元: ・【特集】 もしもPayPayで給料を受け取っていた家族が亡くなってしまったら…「給与デジタル払い」の残高は相続できるの? [朝一から閉店までφ★]