令和への改元から11月1日で3年半だが、早くも「平成レトロ」という言葉が聞かれるようになっている。1990年代中盤以降に生まれたZ世代と呼ばれる若者を中心に平成期に流行した商品や文化に関心が集まる。(山口登史)
◆ルーズソックス 普段着にも合わせやすい
東京・渋谷の大型量販店「MEGAドン・キホーテ渋谷本店」の一角には、ルーズソックスの売り場が設けられていた。ルーズソックスは1990年代、女子高生らの間で一大ブームとなった長めの靴下。当時の女子高生らは長いルーズソックスを膝下にたるませ専用ののりで留めてはいた。
2000年代に入ると人気は下火になったが、靴下専門店「靴下屋」を展開するタビオ(大阪市)によると、昨年秋ごろから注目を集め始め、今年になりZ世代に広がった。白色が中心だった平成のブームと異なり、色や長さも多様化。同社担当者は「制服だけでなく普段着にも合わせやすくなった」と話す。
ロングブーツの人気も高まる。かつて安室奈美恵さんの影響などで90年代から00年ごろに流行したアイテムだが、人気が再燃。渋谷区のアパレルショップ「ジュエティ ラフォーレ原宿店」では「昨年ごろから10~20代を中心に購入者が増えている」(同店従業員)。
◆写ルンです 味わいあってエモい
流行の波はファッション以外にも広がる。
富士フイルムのレンズ付きフィルム「写ルンです」はフィルム独特の風合いがZ世代などから支持され、品薄状態が続く。カメラのキタムラ新宿・北村写真機店(新宿区)では1人当たり1点までに販売制限。購入した都内在住の女性会社員(25)は「デジカメにない、味わいがあってエモい(『感情が動かされる』を意味する若者言葉)」と話し、旅行に持参するという。
料理では飲食店情報サイトを手掛ける「ぐるなび」(千代田区)によると、もつ鍋やキムチ鍋などバブル崩壊後に人気だった鍋料理が注目されている。
◆エネルギッシュな時代がうらやましい?
こうした流行を民間調査機関「シブヤ109ラボ」所長の長田麻衣さんは「かつては個性を表現する手段だったが、現在は周りからよく見られたいと『映え』に対する意識が先行している」と違いを指摘。一方、若者文化に詳しい芝浦工業大教授の原田曜平さんは「Z世代には時代の文化をつくっていた当時の若者がエネルギッシュに感じられ、うらやましさがあるのでは」と分析した。
東京新聞 2022年10月30日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/210700
引用元: ・ルーズソックスに写ルンです…「平成レトロ」にZ世代が注目するのはなぜなのか [蚤の市★]
ローテーション早すぎるだろ