西日本新聞
スマートフォンの画面に次々と現れる強敵を、手に入れたモンスターで倒していく。モンスターを集めて、育てて、勝ち進む。手っ取り早く勝つには、強くて希少なモンスターをたくさん獲得すること。そのためには課金だ。課金、課金、課金。ああ、また負けた。くそ、また課金だ。
>>苦悩の母「親が変わるしかない」
ダイキさん(28)=仮名=は2020年秋、ゲーム障害やギャンブル依存症患者の回復施設「グレイス・ロード」(甲府市)に入所した。共同生活を送りながら、毎日の「ミーティング」で自分を語り、仲間が語るのを聞いて、ゲームにのみ込まれた自分自身を必死に見つめ直している。
高校を卒業するまで、ゲームはほとんどやったことがなかった。情報技術(IT)関連の専門学校に入学。周りはゲーム好きばかり。早く友達をつくろうと、皆がやるスマホのオンラインゲームを始めた。
初心者の自分は当然、弱い。皆のように勝つために、課金を繰り返した。
課金すると、数十種類のモンスターの中からルーレットのように無作為で一つ当たる「ガチャ課金」。目当ての強いモンスターが当たるのはごくまれだ。数十回課金して1回しか当たらないこともある。だが当たれば、勝てる。高揚する。いつしかゲームの勝ち負けより、希少なモンスターを当てることが目的のようになった。外れ…外れ…外れ…当たり! 外れ…外れ…外れ…外れ…外れ…。
学校の合間に、長い日は12時間プレー。課金は1回数百円だが、一度に“大量購入”すると単価が“お得”なため、毎回約5千円を突っ込んだ。他のゲームにも手を出し、課金は多い月で計約20万円。月10万円余りのアルバイト代ではとても追い付かない。
ある日、ダイキさんは家族が誰もいないのを見計らって、父親のかばんをあさった。財布があった。1万円が入っていた。
罪悪感でも全て忘れたくて 支払い窮し、家庭で盗み数十回
引用元: ・【ゲーム障害】課金、課金…負けた、また課金 ゲーム依存、月20万円を投じた青年の今 [ぐれ★]
たとえ死人が出ようとも誰かがやらなきゃ