新型コロナウイルスのパンデミックが始まってから、もうすぐ3年。
このウイルスに感染し、回復後も長期にわたって生活に支障を来す諸症状に苦しむ人は世界で1億人超に上ると推測される。
筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)をはじめ、感染症が引き金となる慢性疾患は以前から知られていた。
そこに新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆるコロナ後遺症)が加わったことで、こうした疾患の解明と治療法の開発に向けた研究に拍車がかかりそうだ。
元CNNの記者で、長年ME/CFSに苦しみ、コロナ後遺症も経験したライアン・プライアーは新著『ロング・ホール』(ポスト・ヒル・プレス刊)で、
周囲に理解されづらい慢性疾患の患者の苦痛と、「患者中心の医療」が医療現場にもたらす大きな変革について論じている。本誌のメレディス・ウルフ・シザーが話を聞いた。
――あなたは最終的にME/CFSと診断され、その後コロナ後遺症にもなった。この2つは似ている? 違いは?
私の感覚では、ほぼ同じだ。悪魔に神経系を乗っ取られたようだった。活力を失い、死んだ肉の塊のようになった。
――コロナ後遺症の治療薬開発に希望が持てるか。
もちろん。希望は生物医学のイノベーションを生む最も重要な要因だ。患者は希望を捨ててはいけない。
政府は既存薬のコロナ後遺症への転用に向け、認可プロセスを迅速化させるべきだ。ここでも(ワクチン開発と同じ)「ワープ・スピード作戦」が求められる。
――コロナ後遺症は障害に対する人々の意識を変えるか。
コロナ後遺症で障害を抱えた人たちが大勢出現した。それにより障害者支援の新しい運動が始まっている。
障害者の権利は人間の権利だ。どんな病気を抱えていようと、人は誰しも人生と自由と幸福を追求する天賦の権利を持つ。病者の尊厳も尊重されるべきだ。そう訴えるために私はこの本を書いた。
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引用元: ・【元CNN記者が語る】コロナウイルスに感染し、回復後も長期にわたって生活に支障を来す諸症状に苦しむ人は世界で1億人超に上ると推測 [クロケット★]