フィリピンを拠点にしたニセ電話詐欺事件で、グループの主犯格とされる渡辺優樹容疑者(38)=窃盗容疑で逮捕=が、2020年6月に摘発された東京・新宿の民泊施設を拠点とするニセ電話詐欺も指示していた疑いがあることが、捜査関係者への取材で分かった。
新宿の拠点の責任者だったとされる阿部隆行被告(40)=窃盗罪などで起訴=の公判が17日、東京地裁であり、弁護側はグループの指示役が「ハオ」だったと主張した。渡辺容疑者はグループ内でハオと名乗っており、警視庁は渡辺容疑者の関与を調べる。
フィリピンから強制送還された渡辺、小島智信(45)、今村磨人きよと(38)、藤田聖也としや(38)の4容疑者が幹部のグループは、闇バイトで募ったニセ電話の「かけ子」をフィリピンに呼び寄せて詐欺をしていたとされる。
同国当局は19年11月、拠点にいた36人を一斉に摘発。4人は拘束を免れたが、21年4月までに入管施設に収容された。
阿部被告の公判で検察側は、グループの幹部らは一斉摘発後、同国にいながら日本にも拠点を設けていたと主張。20年6月、新宿の拠点から神奈川県内の70代女性宅にうその電話をかけ、女性のキャッシュカードで現金90万円を盗んだなどと指摘した。
弁護側は「阿部被告はハオから厳しい指導を受けていた。ハオら幹部の指示に基づき、国内のかけ子らを指導していた」と述べた。
グループ元メンバーは本紙の取材に「渡辺容疑者は自身のことをハオと呼ばせていた」と証言している。
全国各地で相次いだ広域強盗事件で、4人は「ルフィ」や「キム」を名乗って強盗を指示していた疑いがあり、警視庁は今後、強盗についても追及する。
東京新聞 2023年2月18日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/231788
引用元: ・新宿拠点のニセ電話詐欺事件も「ハオから指示」 広域強盗グループ主犯格の男か [蚤の市★]