いま、先進国はすべて労働力不足だ。欧米だけでなく、シンガポールやドバイなども自国に必要な資格を持っている国外の人材を高給で優遇し、懸命に労働力を確保している。
一方、30年以上も給料が上がっていない日本は、賃金や待遇でそれらの国に見劣りしている。IT技術者に至っては、1990年代後半からインド企業の年俸が日本企業を上回り、現在は8倍くらいになっている。
最近はベトナム人のIT技術者も、給与水準が不満で日本に来たがらないと報じられている。技能実習生はベトナム人が最も多いが、日本より好条件の国が増えた上、円安に伴う賃金の目減りもあって“日本離れ”が加速しているという。
つまり、今や日本は外国人労働者にとって全く魅力がない国になってしまったのである。
賃金や待遇だけでなく、外国人に対する偏見が強いし、生活費も高い。なにより世界共通の“標準語”である英語が通じず、日本語は難しくて身につけるのに時間がかかる。これは極めて大きなハンデだ。
これまで日本は好景気になって人件費が高騰した時だけ、その場しのぎの“鎮痛解熱剤”として外国人労働者を短期的に入れ、喉元過ぎれば熱さを忘れて追い返してきた。そのツケが回ってきたのである。
今となっては、給料を現在の2倍にしても、目標とすべき年間65万人の10分の1も来ないだろう。それでも日本に来てくれた人たちには在留資格や在留期間に制限を設けずに永住させることが重要であり、そのための政策を速やかに実行すべきである。
こう言うと、必ず移民による治安悪化などを不安視する意見が澎湃(ほうはい)と出てくる。そういう問題は起きるかもしれないが、それは労働力を確保するための代償であり、きちんとした国民化教育をすれば、移民は必ずその国に貢献してくれる。
もちろん犯罪者や不法移民は門前払いにしなければならないが、どこの国の人間であっても、母国の義務教育を終了していれば、無条件で受け入れるべきだと思う。最近は日本人の凶悪犯罪が頻発しているし、日本人がフィリピンやベトナムなどからネットを使った犯罪も行なっている。
今や「日本人は安全・安心」という前提は崩壊しているのだから、外国人を選り好みするのは理屈が通らない。
国力は人口で決まり、日本が国力を維持するためには移民が不可欠だ。四の五の言わずに、とにかく国を挙げて移民をどんどん受け入れ、無償で国民化教育をして定住させなければ、日本は確実に没落するのだ。
私はこうした提言を30年前から繰り返しているが、いまだに政府は特定技能などの高いハードルを設けている。移民政策についても、岸田首相お得意の“異次元”でやっていただきたい。
https://news.yahoo.co.jp/articles/42778f1e06d2eeb2ba7336d049d2590ea54c2f44?page=1
引用元: ・【異次元の政策を】 大前研一氏「四の五の言わずに、とにかく国を挙げて移民をどんどん受け入れろ。 国力を維持するには移民が不可欠だ」
現実見ろよ
きっとうまくいくと思う