https://news.yahoo.co.jp/articles/0299aa3cf6aadee680cd78698a8b0b83e147ba95
生殖医療技術の発展で、今や世界中で行われている体外受精。イスラエル軍による占領や境界封鎖が続くパレスチナでは、当局に長期拘束される囚人家族の間で利用が広がっている。刑務所から精液をひそかに持ち出し、妻が体外受精で出産する―。にわかには信じ難いが、人権団体の集計によれば、そんな方法で生まれたとみられる子どもが100人を超える。イスラエルの占領に対する「抵抗運動」の一環とも位置付けられ、捕らわれの囚人から生まれた希望の子どもとして「自由の大使」と呼ばれている。(共同通信エルサレム支局 平野雄吾)
▽男の子が欲しかった
イスラエルによる境界封鎖が15年以上続くパレスチナ自治区ガザ。南部ハンユニスに暮らすイマン・クドラさん(35)は2021年2月、イスラエル南部の刑務所に収監中の夫ムハンマドさん(37)の精子を使い、体外受精で長男を出産した。
「娘が3人いますが、男の子が欲しかったんです。年齢も考え、親族全員の同意を得て体外受精に挑戦しました」
イスラエル軍が地上侵攻した2014年のガザ戦闘で、ムハンマドさんは軍に拘束された。イスラエルがテロ組織に指定するイスラム組織ハマスへの所属を理由に、軍事法廷が下した判決は禁錮11年。釈放されるのは2025年の予定だ。
ムハンマドさんは2020年春、釈放される囚人仲間の男性に自らの精液を入れた長さ2~3センチのプラスチックケースを託す。男性がガザ入域後、ムハンマドさんの父ユスフさん(78)にケースを手渡し、精液は不妊治療クリニックで凍結保存された。イマンさんは4回目の体外受精で成功した。ユスフさんが振り返る。
「ちょうど新型コロナウイルスが流行していた時期で、検問所の検査が緩かったようです。普段ならイスラエル側の嫌がらせもあり、ガザに入るまで何時間かかるか見当もつきませんが、男性は出所後ほどなくして着いたんです。おかげで精液の質も保たれました」
イマンさんを担当したガザの不妊治療クリニックのアブドルカリーム・ヒンダーウィー院長は「持ち込まれた精液を検査して凍結します。乾燥した容器で清潔に運ぶことが質を保つ秘訣です」と説明する。持ち出しにはペンやスナック袋、ナイロンケースなどが使われるという。
引用元: ・獄中オナニーで放出した精子を刑務所外に持ち出し体外受精() [866556825]