日付は変わり、店先のちょうちんの明かりが落とされた。店内は名残を惜しむ常連たちでにぎわう。店先の看板には、こんな貼り紙が貼られていた。
「しんの輔 本日最終日 今までありがとうございます」
新宿駅から約10分、JR阿佐ケ谷駅南口に近い串揚げ屋「しんの輔」は7月30日、14年の営業を終えた。コロナ禍は生き延びたが、その後も客足が思うように戻らなかった。
最終営業日、店主の戸田信之輔さん(50)はいつもより2時間早く店を開けた。常連たちとの最後の時間を、少しでも長く過ごすためだ。
カウンターとテーブル、全部で36席。深夜まで席は埋まり、戸田さんは中央の台所でせわしなく動き回りながら、時折カウンターに身を乗り出して客と酒を酌み交わしていた。
戸田さんは「信さん」と呼ばれ愛される。聞きに徹し、自分から多くは話さない。そんな信さんのもとに、客は愚痴をこぼしにくる。友人と語り合う。蛍光灯のオレンジ色に包まれた店には、一見(いちげん)さんも拒まない雰囲気があった。
閉店間際、戸田さんが「ここまで来られたのは本当にみなさんのおかげ。ありがとう」とあいさつすると、常連客のひとりが「みんな信さんに支えられてきたこと、忘れないでよ」と涙ながらに応じた。従業員の目にも涙が浮かんだ。
戸田さんは笑顔のままだった。「感謝の言葉をたくさんもらって、愛されてたんだなって。みんな普段はなかなか言ってくれないから」午前2時、いつものようにのれんを下ろし、最後の営業を締めくくった。
コロナ後も客足戻らず
戸田さんが店を始めたのは2009年。当初は北口の商店街の一角にのれんを掲げていた。5年前、ビルの立ち退きに伴って現在の場所に移転。借金をし、16席ほどの席数を倍に増やした。
戸田さんは「これまでの調子なら、大繁盛とまでは言わなくても順調にやっていけると思っていた」と話す。
コロナ禍で状況は一変した…
https://www.asahi.com/articles/ASR8165HWR70UTIL01T.html#:~:text=%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A
家で晩酌が精一杯
バーでウイスキー飲んだら3倍の値段とられるからな。
19:00まわったらほぼ帰り20:00で客ゼロ