【病気】５年生存率１割程度、特殊な白血病「ＡＴＬ」　発症者が中国や半島ではほとんど見られず日本の沖縄や南九州に多いわけ

1万年以上前から日本列島に住んでいた縄文人と、約2000～3000年前に朝鮮半島から渡来した弥生人との混血が日本人のルーツといわれます。

縄文人の顔の特徴は、彫りが深く、眉は太く濃く、まぶたは二重で、鼻が大きいといった、いわゆる「ソース顔」です。弥生人の方は、面長で彫りが浅く、一重まぶたで、鼻も小さい、「しょうゆ顔」。昭和すぎる表現ですかね（笑い）？

47都道府県で縄文人由来と渡来人由来のゲノム比率を調査した研究があります。縄文人由来のゲノムの比率が最も高かったのは沖縄県で、鹿児島、青森、岩手の各県が続きました。

渡来人由来のゲノム成分が最も高かったのは滋賀県で、京都府、奈良県などが続きました。

お公家さんを思わせるしょうゆ顔の人が近畿地方に多く、野性味あふれるソース顔は九州・沖縄や東北に多いということです。二つのタイプの顔を思い浮かべると納得できる気もします。

稲作を武器に大陸から渡来し、大和朝廷を樹立した渡来人が、もともと住んでいた縄文人を列島の辺境に追いやったと考えてよいと思います。

さて、成人T細胞白血病（ATL)という特殊な白血病があります。ATLは、日本で発見された「ヒトT細胞白血病ウイルス1型」(HTLV-1)というウイルスの感染が原因となる特殊な白血病です。感染ルートとして母乳を介したものが重要となります。

■潜伏期間は30年～半世紀　プロ200勝投手の北別府学さんもこの病で……

ウイルスの遺伝情報がT細胞リンパ球のDNAに組み込まれ、キャリアー（持続感染者）となります。その数は100万人を超えますが、ATLを発症するのは5％程度。発症までの潜伏期間は30年から、多くの場合50年にもなるため、小児に発症することはなく「成人」に見られる白血病です。

原因ウイルスの感染から白血病の発症まで半世紀を要します。発がんには長い時間がかかることが分かります。現在、日本人男性の3人に2人、女性でも半数が生涯にがんを経験しますが、これは日本人が長生きになったからです。

なお、ATLは白血病のなかでも手ごわいタイプで、5年生存率は1割程度です。現在、妊婦に対するHTLV-1の検査が行われ、母乳の制限などの方法で赤ちゃんへの感染を防ぐことが可能です。

HTLV-1の感染とATLの発症は沖縄県や南九州に多く、岩手県から宮城県の太平洋側にも見られます。

有名人では、広島カープ一筋で通算213勝を挙げ、名球会投手となった北別府学さんが6月、この病気のため65歳で亡くなっています。宮城県知事を務めた浅野史郎さんもATLの経験者です。

北別府さんは鹿児島県出身、浅野さんは現在の岩手県大船渡市出身で、彫りの深いソース顔です。

興味深いことに、このタイプの白血病は韓国や中国にはほとんど見られません。

最近では、HTLV-1は縄文人に特徴的なウイルスで、渡来人に感染はなかったという説が有力です。ATLの地域差を説明するカギになると思います。

がんに関連して、逆に弥生人が日本に持ち込んだ遺伝子変異もあります。

エタノールが分解されてできる発がん物質「アセトアルデヒド」が体内にたまると顔が赤くなります。このアセトアルデヒドを解毒するのが「2型アセトアルデヒド脱水素酵素（ALDH2）」ですが、突然変異でその働きが弱くなります。

変異型は縄文人には見られません。今でも、縄文人の末裔（まつえい）が多い九州や東北にお酒が強い人が多いのはそのためだと思います。（以下ソース）

2023年8月17日
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20230810/med/00m/100/002000c?inb=ra

日本人は意図的にあらゆる発がん物質を摂取させられている。これが原因だ。