40年以上前、中国語で大学を受験して以来、「親中派」を自任する私が書いているのだから間違いない。
ご存じの通り、習近平独裁体制が確立した中国では、多様な言論は存在しない。鄧小平が主導した改革開放路線を引き継いだ胡錦濤政権下では、共産党を決して批判しないというタブーはあったが、地方政府の腐敗や公害などを断罪する「調査報道」もある程度、容認されていた。
ところが、習体制が固まるにつれ、権力の行き過ぎを抑制する役割を果たしていた「調査報道」は姿を消していった。
新聞もテレビも毛沢東時代に逆戻りし、「党の喉」としての役割を忠実に果たしている。
「白い猫でも黒い猫でもネズミを捕るのが良い猫だ」という鄧時代の現実主義は、すっかり影を潜め、「白い猫」を「黒い猫」と言いくるめるプロパガンダが、人びとをからめとっているのだ。
ネットは厳しく検閲され、「処理水は安全だ」といった言説は、たちどころに抹殺される。
「処理水」を「核汚染水」と言い募り、処理水の放出が世界の環境を破壊するという非科学的なデマを国営放送が連日垂れ流せば、怒りに任せて迷惑電話を日本にかけようという輩(やから)が続々と出るのもムベなるかな。
習政権が常軌を逸した振る舞いをするのは、バイデン米大統領が「時限爆弾だ」と表現するほど中国経済が急速に失速しているからだ。「悪い人間が問題を抱えていると悪いことをする」とバイデン氏が言うように、国内の不満をそらすためには国外に敵をつくるのが一番だ。
特に「反日キャンペーン」は、手っ取り早い。岸田文雄首相は強い対抗措置をとれないと甘く見られている。現に首相や外相の動きは鈍い。
こういうときこそ親中派・公明党の出番だが、山口那津男代表は訪中を断られ、なす術(すべ)もない。
そんな情けない政府与党に代わって、ささやかな対抗策を講じることにした。
迷惑電話を中国にかけるのは、品格に欠けるので、中国が、日本産水産物の輸入禁止措置を撤回するまで「私は中国産を食べません」宣言をすることにした。
ただ、実際にやってみると財布に優しくなく、言うは易(やす)く、行うは難しである。
最近のスーパーは、農作物も水産物も生産地を明記していて見分けやすいが、問題は大手飲食チェーン店の食材だ。コストカットのため中国産野菜や食材を使っている店も少なくない。面倒くさいが、店に入る前にいちいち産地を聞くことにした。
イヤな客だと思われるだろうが、悪いのは中国政府なので、ご容赦を。
加工品も考えるとかなり難しいと思う
争いは同レベルで起こる
余裕顔で中国を笑ってやるぜ

