〈少し前のことですが、下村さんがこの事務所に来ました。「何とか私を会長に」と言うんですが、「それは私が決めることじゃない。みんなが決めることだが、君には味方がいないじゃないか。だったら自分はどうあるべきか考えてみたらどうだ」と伝えたんです。「今までのご無礼をお許しください」と土下座までするので、「君は私に無礼を働いたのか。その自覚があるのなら私は絶対に許さない。帰ってくれ」と言ったんです。ところが下村さん、外では「森会長の了解を得た」と言っているらしい〉
「仕返しを今になって受けている」
真偽はさておき、清和会(安倍派)の跡目争いの一幕だ。自民党幹部が解説する。
「第2次安倍政権で文科相を務めた下村さんは、新国立競技場の建設を巡り、イラク出身の建築家であるザハ・ハディド氏の案を白紙撤回。一転して、隈研吾氏の案を採用したんです」
が、この時、ザハ案を推していたのは誰あろう、文教族のドン・森氏だった。
「森さんは完全にメンツを潰された。その後も下村さんは、安倍晋三元総理と近い立場なのをいいことに、森さんを軽んじる発言を繰り返した。その仕返しを、いまになって受けている」
8月17日、清和会は総会を開き、当面は会長を置かない方針を決定。下村氏とともに会長代理を務める塩谷立・元文科相を単独で常任幹事会の座長に据えた。
政治部デスクが指摘する。
「座長とはいえ、あくまでお飾り。実際は萩生田光一政調会長、西村康稔経済産業相、世耕弘成参院幹事長、松野博一官房長官、高木毅国対委員長ら“5人組”による集団指導体制と言えば聞こえは良いですが……」
すでに水面下では火花が。
「安倍の寵愛を最も受けたとされる萩生田と、かねて“総理を目指す”と公言している西村の綱引きが急浮上。党や政府で要職を担う世耕、松野、高木各氏も、巻き返しのタイミングを虎視眈々とうかがっています」
有力者によるバトルは派閥分裂の呼び水たり得るが、
「とりあえず総会では、派内で最も“嫌われ者”の下村を閥務の中枢から外すことで一致しましたね」
“老害”“偉そうな口出し”と不満の声も
一方で、当の清和会の中堅幹部は指摘する。
「森さんの暴露には“さすがにやり過ぎ”“下村さんが気の毒”との声があり、森さんに対して“老害”“偉そうな口出しでさらに派内がおかしくなる”“OBが好き放題では他派閥になめられる”との不満も。派内の雰囲気は最悪ですよ」
清和会の若手も渋い顔だ。
「集団指導体制は、次期内閣改造と党役員人事を視野に、派内のゴタゴタを隠す応急処置。萩生田さんは旧統一教会問題の影響で当分は入閣が難しい。西村さんや世耕さんは人望に欠け、中堅から若手に支持を広げられていない状況で……」
さりとて、福田シンパと見なされてきた“非安倍系”の松野、高木両氏では派内の掌握は難しいという。
「他派閥と渡り合うのは何とも心細い状況。そもそもウチは、人事でのうまみを期待した入会者が多い。秋以降は退会者が相次ぐかも」
「週刊新潮」2023年8月31日号 掲載
デイリー新潮
9/1(金) 5:56
https://news.yahoo.co.jp/articles/c04231e238a1ee69dbe7c36b405d2c5a48489355
引用元: ・【安倍派】森元総理に土下座したことを暴露された下村元文化相 清和会に大きな亀裂が [クロ★]