「濃いめの角ハイ」生んだ老舗バーのマスター死去　松山市の「露口」

露口さんは1958年8月、21歳で「露口」を開店。当時の松山では珍しかったジャズが流れる店内で洋酒を楽しむスタイルを取り入れた。

名物は、サントリーウイスキーの「角瓶」を使った、通常よりウイスキーの割合が多い濃いめのハイボール。監修を務めたサントリー「角ハイボール缶〈濃いめ〉」が2013年に全国発売され、缶ウイスキーの定番になった。

一枚板のカウンターに10席ほどの店内には、全国からファンが集い、美術評論家の洲之内徹やジャズ評論家の岩浪洋三ら、多くの文化人にも愛された。

妻の朝子さんと2人で店に立ち続けたが、昨夏に夫妻ともに腰を痛め、同年9月末に閉店していた。

訃報（ふほう）を受け、愛媛県の中村時広知事は「看板メニューのハイボールと温かいお人柄で、多くの方々に憩いと安らぎの場をご提供いただき、愛媛の洋酒文化の発展と地域活性化に大きく寄与されました」とのコメントを出した。（川村貴大）

朝日新聞　2023年9月20日 12時16分
https://www.asahi.com/articles/ASR9N3TYHR9NPTLC006.html