ファイザー社製とモデルナ社製の改良版mRNAワクチンは、インフルエンザワクチンおよびRSウイルス感染症ワクチンとともに、今冬に流行が懸念されるこれらのウイルスの拡散を阻止するための公衆衛生戦略の3本柱となる見込みだ。
いずれの改良版ワクチンも、12歳以上に対しては完全承認されており、生後6カ月から11歳までの小児に対しては緊急使用が許可されている。
FDA生物製剤評価研究センター(CBER)のディレクターであるPeter Marks氏は、「ワクチン接種は今もなお公衆衛生戦略の中核であり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による入院や死亡などの重症化に対する予防効果を継続する上で不可欠だ。これらの改良版ワクチンは、安全性、有効性、製造品質に関するFDAの厳格な科学的基準を満たしていることが保証されている。
われわれは、接種対象者がワクチンの接種を検討することを強く推奨する」と述べている。
米ジョンズ・ホプキンス健康安全保障センターの感染症専門家であるAmesh Adalja氏は、「現在広がりを見せている変異株に対する有効性を高めた改良版ワクチンは、依然として重症化、入院、死亡のリスクが高い人々にとって重要な手段だ」と述べ、最も脆弱な人々におけるこの承認の重要性を強調している。
今後は、予防接種実施諮問委員会が改良版ワクチンの接種対象者に関する推奨を検討し、疾病対策センター(CDC)所長であるMandy Cohen氏がその内容を承認すれば、接種が開始される見込みだ。
FDAはワクチン接種対象者の年齢に応じた推奨を、以下のように示している。
5歳以上:新型コロナワクチンの接種歴にかかわらず、同ワクチンの最終接種から2カ月以上が経過していれば、改良版ワクチンを1回接種可能。
生後6カ月から4歳で新型コロナワクチン接種歴がある場合:改良版ワクチンを1回または2回接種可能(接種時期と接種回数は、最後に接種したワクチンの種類により異なる)。
生後6カ月から4歳でワクチン未接種の場合:ファイザー社製の改良版ワクチンを3回、またはモデルナ社製の改良版ワクチンを2回接種可能。
改良版ワクチンが標的とするオミクロン株のXBB.1.5は、もはや流行の主流株ではないものの、現在流行している変異株と密接に関連している。このため専門家は、改良版ワクチンの接種によりこの変異株に対してもある程度の予防効果が得られるとしている。
ファイザー社の会長兼CEOであるAlbert Bourla氏は、「今回の承認は、新型コロナウイルス感染者が再び増加している中で決定された。これにより、米国では生後6カ月以上のほとんどの人が、過去のワクチン接種歴に関係なく、今シーズンの流行に対抗するための改良版ワクチンを接種する資格を得ることになる」と述べている。
一方、モデルナ社のCEOであるSt?phane Bancel氏は、同社のニュースリリースで、「流行する新型コロナウイルスの変異株が進化し続けているため、今シーズンに感染から人々を守るためには最新のワクチン接種が不可欠だ。われわれは、FDAのタイムリーな審査に感謝するとともに、インフルエンザの予防接種を受ける予定の人に対して、改良版ワクチンも同時に接種することを勧める」と話している。
引用元: ・【モデルナ社のCEO】「流行する新型コロナウイルスの変異株が進化し続けているため、今シーズンは最新のワクチン接種が不可欠だ」