入管施設で女性死亡 再捜査も当時の入管局長など改めて不起訴
おととし3月、名古屋出入国在留管理局の施設でスリランカ人の女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が収容中に体調不良を訴えて死亡し、遺族などが入管の当時の局長らを殺人と保護責任者遺棄致死の疑いで告訴・告発していました。
名古屋地方検察庁がこれについて不起訴としたため、遺族などが検察審査会に審査を申し立て、去年12月、名古屋第一検察審査会は殺人罪などについては成立しないと判断した一方「業務上過失致死罪が成立するかどうか再検討すべきで、不起訴は不当だ」と議決していました。
この議決を受けて名古屋地方検察庁が再捜査した結果、入管の当時の局長などあわせて13人について、29日、殺人などの容疑は「嫌疑がない」として改めて不起訴にしました。
理由については「殺人としての実行行為や殺意がない」などとしています。
また、再検討するよう指摘された業務上過失致死罪については「死亡することを予見して回避できたとはいえず成立を認めることができない」などとしています。
名古屋地方検察庁によりますと、これで当時の入管の幹部や職員についての捜査は終結するということです。
ウィシュマさんの遺族「死の責任を取るべきは誰なのか」
ウィシュマさんの妹のワヨミさんは「どういう理屈で、この事件が犯罪でないと言えるのでしょうか。責任ある人々がなぜ処罰されないのか、いまだに理解できません。入管が責任を果たすことを怠ったために、私たちは姉を亡くしました。このような死が二度と起きないために、この事件で適切な処罰が与えられるべきです」などとコメントしています。
もう1人の妹のポールニマさんは「このような答えが出たことがとても悲しいです。なぜ、これほどまでに非人道的なのですか。ウィシュマの死の責任を取るべきは誰なのですか。私たちは、こんなにひどい決定を予測していませんでした」などとコメントしています。
スリランカにいるウィシュマさんの母親は「こんなに長い時間を、こんな決定を行うためにむだにしたというのですか。このような回答を受け取ることを非常に残念に思っています」などとコメントしているということです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230929/k10014211281000.html
引用元: ・ウィシュマさんが死亡した件 再捜査の結果、入管局長ら改めて不起訴 最終決着 [135853815]
お気の毒様