【シンガポール全国研究】ワクチン接種を受けていない新型コロナウイルス感染症生存者は心臓合併症を発症するリスクが５６％高い

この研究は、2021年9月1日から11月31日までに新型コロナウイルス感染症と診断されたシンガポール在住の10万6,012人の検査記録と医療請求記録に基づいて行われ、デルタ変異種が優勢だった時期に行われた。

この研究では、新型コロナウイルス感染症から回復した多く（912人の患者）が、
「長期にわたる新型コロナウイルス」症候群と一致する、長引く後遺症を報告していることが判明した。

これらには、疲労、息切れ、記憶障害、心血管、脳血管、血栓症などの心臓の合併症の症状が含まれる場合があります。

この新型コロナウイルス感染症陽性グループを、当時ウイルス感染が知られていなかった地域社会の約170万人のグループと比較した。両グループは平均300日間追跡され、「ロングコロナ」症候群、特に心臓合併症を発症したかどうかが調べられた。

9月に『臨床感染症』誌に発表されたこの研究は、ワクチン接種が盛んな多民族の東南アジア集団における新型コロナウイルス感染症の長期罹患リスクを調査した最初で最大規模のものである。

この研究は、NTUのリー・コンチアン医科大学（LKCMedicine）、シンガポール保健省、シンガポール総合病院、シンガポール国立感染症センターの研究者らによって実施された。

Lim Jue Tao 氏、研究主著者、LKCMedicine 感染症モデリング助教授
私たちは、長期にわたる新型コロナウイルス症候群の報告が増加していることを聞いて、研究を実施する動機になりました。現在はパンデミック後の時期にありますが、新型コロナウイルス感染症は今後も進化する変異種とともに存在しており、世界は引き続きその影響を理解し、身を守る必要があるため、私たちの調査結果は依然として重要です。私たちの研究は、人々が重要な防御手段としてワクチン接種と追加免疫を受ける必要性を強調しています」

感染しているがワクチン接種を受けていない人は、新型コロナウイルス感染症後の心臓合併症のリスクが 56%高い

研究者らがデータを統計分析したところ、ワクチン接種を受けていない新型コロナウイルス感染症（COVID-19）生存者は、感染していない人に比べ、感染後1年で新たな心臓合併症を発症するリスクが56％高いことが判明した。

たとえば、この研究では、感染前に不整脈や心拍異常がなかった311人または0.297パーセント（対検査陰性グループ3071人または0.184パーセント）が、
感染していない人に比べて感染後1年で不整脈を発症したことが観察されました。

リスクとは、新型コロナウイルス感染症検査で陽性または陰性となった後 300 日以内に特定の心臓合併症を発症する確率を指します。

研究チームは、追加接種、ワクチン接種、およびワクチン接種を受けなかった新型コロナウイルス感染症生存者と非感染グループを比較した個別の分析で、
ワクチン接種または追加接種を受けた場合にリスクが低下することも発見した。

ワクチン接種を受けた新型コロナウイルス感染症（COVID-19）生存者は非感染者と比較して心臓合併症のリスクが11％だったが、追加接種を受けた新型コロナウイルス感染症（COVID-19）生存者は非感染者と比較して心臓合併症のリスクが同じだった。

この研究結果は、長期にわたる新型コロナウイルス感染症の潜在的な合併症を軽減するためにワクチン接種と追加接種が重要であることを示している。

https://www.news-medical.net/news/20231009/Heart-complications-more-likely-in-unvaccinated-COVID-19-survivors-study-finds.aspx
https://www.ntu.edu.sg/news/detail/singapore-study-finds-unvaccinated-covid-19-survivors-face-higher-risk-of-heart-complications