だからといって、ハマスによるイスラエル攻撃について、ロシア政府が直接関与していたことにはならない。事前に承知していたことにも、ならない。
「ロシアが何かしら関与していたとは、我々は思っていない」。イスラエルの駐モスクワ大使、アレクサデル・ベン・ズヴィ氏はこのほど、ロシア紙コメルサントに対してこう述べた。ハマスがイスラエルで繰り広げた残虐行為に、ロシアが何か関わっていたなどとほのめかすのは、「まったくナンセンスだ」とも話した。
米ジェームズ・マーティン不拡散研究センターでロシアと中東を専門とするハンナ・ノッテ博士(在ベルリン)は、「ロシアがハマスに直接、武器を提供したとか、ロシアがハマス工作員に軍事訓練を提供したとか、そういう証拠はまったく目にしていない」と話す。
「確かにロシアは、長年にわたりハマスとかかわってきた。ロシアは一度も、ハマスをテロ組織と呼んでいない。ハマスの代表は昨年と今年、モスクワを訪れている」
「しかしだからといって、ロシアが多岐にわたりハマスを軍事的に支援しているとは類推できない。ロシア製の兵器システムがガザ地区に入っていることは、確認されている。しかしそれはおそらく、(エジプトの)イ半島経由で、かつイランの援助があってのことだろう」
つまり、プーチン大統領が「中東戦争」とラベルの付いたボタンを押したわけではないということだ。
しかし、この戦争から利益を得るつもりでいるのではないか?
もちろんだ。どうやるのか、説明しよう。
■ウクライナから世間の注目が外れる
中東における暴力拡大で、各国の国際報道はそのニュース一色になった。イスラエル発の劇的な記事タイトルが、ロシアがウクライナで続ける戦争から世間の目をそらすだろうと、ロシア政府は期待している。
ここで大事なのはただ単に、ニュースの流れを変えることだけではない。ロシア政府は中東情勢の結果として、西側がウクライナに提供するはずだった軍事援助がイスラエルへ振り向けられることを期待している。
「この危機は、(ウクライナでの)特別軍事作戦の展開に直接影響すると思う」。ロシアの外交官、コンスタンティン・ガリロフ氏は政府系新聞イズヴェスチヤにこう話した。
「ウクライナを支援する各国は、イスラエルでの紛争に気が移ってしまうはずだ。西側がウクライナを見放すという意味ではない。しかし、ウクライナに行く軍事支援の量は減り(中略)もちろん軍事作戦は一気にロシアに有利になるかもしれない」
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引用元: ・【BBCロシア編集長】プーチン氏は、イスラエル・ガザ戦争で得をするのか
イランに続けて北やキューバ方面が動いたら何もできなくなるわ