公務員を定年退職したばかりの父親と、仕事が長続きせず、事件当時は無職だった男。
一軒家に2人で暮していた親子の間に何があったのか。
裁判の記録からは、男が抱えていた生きづらさの背景が見えてきました。
■父親の傷は18か所 死因は失血死
事件があったのは去年8月。深川市の住宅で、無職の工藤正嗣(まさし)被告(28)は、同居する父親・隆俊さん(当時61)を、台所にあった刺身包丁で刺して殺害しました。
隆俊さんの傷は、右腕や腹など18か所におよび、隆俊さんは、正嗣被告が自ら呼んだ救急車で病院に運ばれましたが、死亡しました。失血死でした。
■暴力をきっかけに母親・妹とは別居
(略)
■「思い通りにいかない人生は父親のせい」
正嗣被告は、地元の中学校と高校、短大を卒業後、自衛官候補生や農協、レンタルスキー店などの仕事に就きましたが、長続きしませんでした。
2年前に、父親の紹介で働き始めたガソリンスタンドでも、危険物の取り扱いに必要な資格を持っていなかったことから、同僚に見下されていると思い込み、わずか2か月で仕事を辞めています。
この資格をめぐっては、正嗣被告は「乙種第4類」の取得を希望していましたが、父親から難易度の低い「丙種」から順に取得した方がいいと助言されていました。
そして正嗣被告は、無職になったのは、父親が最初から「乙種第4類」の取得を認めてくれなかったせいだと、強い不満を抱くようになっていきます。
■ささいなことで父親と口論不満が爆発
父親は、無職の息子を見放すことはなく、家事を担いながら一緒に暮らしていました。そうした暮らしの中で、事件はささいなきっかけでおきました。
正嗣被告は事件直前、「たばこを買いに行く」と告げて外出しようとすると、父親からとがめられ、2人は口論となります。
そして「ガソリンスタンドを辞めて無職になり、人生が狂ったのは、父のせい」などといった強い不満がこみあげ、殺意を決意。自宅の台所から包丁を持ち出し、父親の身体を何度も突き刺すなどしました。
■父親が最期の瞬間に口にした「正嗣、愛してる」
検察が正嗣被告を聴取した記録によりますと、父親は「やめろ」「助けて」と懇願し、手を前に出して抵抗したといいます。手や腕には、抵抗する際にできる傷=防御創が11か所確認されています。
そして、刺されながら父親は、最期に「正嗣、愛してる」と、最愛の息子、正嗣被告に向けた言葉を口にしていました。
■事件後に初めて判明した被告の障害
裁判の争点は、2点ありました。
1つは、減刑が認められることもある「自首」が成立するかどうか。被告は、事件後、自ら消防に通報し、救急車を誘導する素振りも見せています。
弁護側は、被告は「119番通報すれば、警察にも連絡がいくと思っていた」と供述していたことから、自首は成立していると主張。
一方、検察は「消防は捜査機関ではない」などとして自首は成立しないと反論していました。
もう1つの争点は「量刑」。
事件後の正嗣被告は、鑑定で「軽度知的障害」「広汎性発達障害」と診断されています。こうした障害が犯行に影響を与えたかどうかが争われました。
正嗣被告に、こうした障害があることがわかったのは、この事件後の診断が初めてです。
鑑定した医師は、被告について、障害の影響で、他者の言動を曲解する傾向にあり、コミュニケーションがうまく取れず、仕事も長続きしないなどストレスの原因になったものの「犯行は障害の影響ではなく、本人の性格によるもの」と証言しました。
これに対し弁護側は、障害が犯行に関与したなどとして情状酌量を求めていました。
■「大変、申し訳ないと思っています」
旭川地裁は、119番通報は捜査機関への申告には当たらないとして自首は成立しないと判断。
また「父親からの助言を曲解し、恨んで犯行に及んだ動機・経緯は身勝手」と指摘する一方、「軽度知的障害などが、仕事面での問題に直面してストレスを抱えてきた。このような意味で、被告の障害が犯行に一定程度影響したことは否定できない」として、懲役14年の求刑に対し、懲役11年を言い渡しました。
以下全文はソース先で
HBC北海道放送 2023年10月28日(土) 07:30
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/804192?display=1
https://newsdig.ismcdn.jp/mwimgs/a/b/680w/img_abfdb8e2c56966111f2cb718260415a9112297.jpg
引用元: ・【北海道】「正嗣、愛してる」最愛の息子に刺されながら、父親は最期に伝えた…父親を刺殺した28歳の男が抱える生きづらさの背景 [ばーど★]
(略)
暴力振るってたのは息子?
しかし父親は子供の知的や発達障害を速やかに認めてそれに対する公的援助を受けさせるべきだったな
普通レベルを求めてはいけない