「海外は日本に比べて薬物に甘い」というイメージを持っている人も少なくないかもしれないが、実際には甘いどころか、国によっては最高で死刑や無期懲役といった重い刑罰が科せられる場合があり、2010年には中国で日本人4人が、麻薬密輸の罪により死刑執行されている。また最新の死刑統計(アムネスティ・インターナショナル)によれば、2022年に世界で執行された死刑のうち、37%が薬物関連犯罪によるものだったという。
アメリカで大麻を使用すると“永久に”入国できなくなる?
死刑や無期懲役までいかずとも、「海外は薬物に甘い」というイメージが大きな落とし穴となるケースもある。もっとも意外な国のひとつが「アメリカ合衆国」だろう。
「アメリカ国内で外国人が違法薬物を使用した場合、永久に入国できなくなる可能性があります」
そう指摘するのは、アメリカの法律に詳しいタイタノ誠弁護士。
「特に大麻については、日本でも『○○州で合法になった』『国全体で規制緩和が進んでいる』といった報道を目にすることが多いかと思います。しかしアメリカには各州が定める『州法』と、その一段階上にある『連邦法』という二つの法律があり、連邦法上は依然として大麻は『違法薬物』でありながら、国(連邦政府)は『いったん取り締まりを保留する』と言っている状況です。そして州法上は、大麻を合法としている州とそうでない州があるという、非常に複雑な状態となっています」(タイタノ弁護士)
日本で報道を見聞きして「せっかく合法な州に行くのだから大麻を使ってみよう」と考える人もいるかもしれないが、そこに思わぬ“落とし穴”がある。
「たしかに、合法な州で大麻を使用しても逮捕されることはありません。しかしアメリカの出入国に関する法律(移民法など)では、連邦法上の違法薬物を使用した外国人は、原則的に生涯アメリカへの入国が禁止されてしまいます。
これは意外と知られていなくて、アメリカ人であっても、自分たちは問題なく出入国ができるので、まさか目の前の外国人が生涯アメリカに入国できなくなるかもしれないとは知らずに、悪気なく大麻をすすめてくるケースもあるので、注意が必要です」(タイタノ弁護士)
州法と連邦法に“二重”で裁かれる可能性も
もうひとつ、タイタノ弁護士が「日本人がおちいりがちな問題」と指摘するのが、大麻を所持したまま合法な州から違法な州に移動することだ。この場合、州法と連邦法に二重で裁かれる可能性があるという。
「まずは、違法な州の州法に違反したということで逮捕・勾留され、
引用元: ・【薬物】“麻薬密輸”で日本人女性が「死刑」に…「海外は薬物に甘い」大間違いの認識が招く“悪夢”
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