首相らの給与増額法案可決。大臣「据え置くと公務員全体の給与体系崩す」

岸田文雄首相など特別職の国家公務員の給与を引き上げる法案が、10日、衆院の内閣委員会で可決された。この後、衆院本会議で可決され、参院に送られる見通し。

法案が成立すれば、岸田首相の給与が年間で46万円、閣僚の給与が年間32万円増える。

今回の特別職の国家公務員の給与引き上げは、一般職の給与の引き上げに準じたものだが、野党は「物価高が進む中、理解が得られない」などと批判している。

委員会で河野太郎国家公務員制度担当相は、「特別職の国家公務員の中には、首相や国務大臣の他にも、会計検査院長、人事院総裁、政府の各種委員会の委員長など、さまざまな役職がある」とした上で、「首相や国務大臣等のみ（給与を）据え置くことは、他の官職とのバランスを欠き、公務員全体の給与の体系を崩すことにもなりかねない」と説明した。さらに、「首相は3割、国務大臣、副大臣は2割、政務官は1割を国庫に返納してきている」と強調した。

また、松野博一官房長官は9日の会見で、法案が成立した場合、対象となる特別職のうち、政治家である首相、閣僚、副大臣、政務官については、「今回の給与増額分を全て国庫に返納すると申し合わせる」と明らかにした。

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