国立高は都教委から「進学指導重点校」に指定され、国公立大や難関私大に毎年多くの合格者を輩出。一方で、制服の指定はなく、文化祭や体育祭などを併せた恒例行事「国高祭」では企画・運営の主体を生徒が担うなど、自主性を重んじる校風が特徴だ。
通常、進学校では2~3年生からは希望進路別にクラスが分かれることが多いが、関係者によると、同校では少なくとも昭和50年代ごろから入学から卒業までの3年間、クラス替えを行っていない。
OBの男性(47)は「文系と理系、先生と生徒の垣根が低く、関係も強い。国高祭では3年生が3年間の結束力を生かし、演劇を披露する伝統が引き継がれている」と誇らしげに話す。
■事前相談なく
だが、10月上旬に行われた入学希望の中学生とその保護者向け説明会で、宮田明子校長が来年度に入学する学年からクラス替えを行う方針を通知。在校生はもちろん、教員も一部を除き、事前に相談はなかったという。
産経新聞の取材に対し宮田校長は「(クラス替えがないことで)『つらい立場の生徒がいる』と一部の教員から相談があった。伝統は素晴らしいものだが、それによって苦しむ子供たちがいるというのはよくない」と、理由を説明。
事前に諮らず発表したことについては「閉塞(へいそく)感を感じる生徒に周りも気づいていなかった。生徒の人間関係に関わる部分を、生徒自身に決めさせるのは酷だと判断した」と語った。
これに対し、卒業生の有志らは「自主性を尊重する伝統なのに、事前に生徒に相談もせず学校側が決めるのは問題だ」と異議を唱え、生徒の意思を尊重した形での解決を求めてOBら約1800人分の署名を提出した。
関係者によると、在校生も独自に署名を集め、全校生徒約1千人のうち6割以上が署名に参加したという。
学校側は今月8日、在校生と意見交換を行い、宮田校長は「課題に向き合おうとする生徒たちの姿勢を真摯(しんし)に受け止めた」として、クラス替えの導入を撤回。生徒と教員が協力しながら「クラス内でつらい思いをする生徒を出さない方策」を考えていくことを約束した。
直接の影響はないとはいえ、在校生は今回の騒動をどう受け止めたのか。ある男子生徒(16)は「(クラス替えで)文化祭のクオリティが下がってしまうかもしれないと思っていた」。別の生徒は「(校内の空気は)ほぼ反対だった。9月の文化祭が終わった後に次の学年での文化祭の準備に取りかかるので、クラス替えを前提にしていなかった。(導入案が取り下げられて)ひとまず安心した」と打ち明けた。
■「考える場を」
学校教育に詳しい信州大学術研究院教育学系の伏木久始教授は「人間関係がうまくいかず悩みを抱える生徒には、置かれている環境をリニューアルし、ストレスを下げてあげるのが妥当な対応だ」と話す。
その上で、今回の国立高のケースを「3年間クラス替えなしという学級固定制の中で精神的苦痛を抱えている仲間もいる、ということを生徒と共に考えるのを(教職員側が)優先したかった」と指摘。「今のシステムで生きにくい子がいることをどうすべきなのか、生徒が考える場を作っていくことが学校をよくする」と分析した。(山本玲)
11/25(土) 22:32 産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/9936d6a30b274b430e73cf3bb274102964eccb59
引用元: ・【持ち上がり制】「結束力培われる」「つらい子も」…クラス替え騒動で揺れた都立名門校 [ばーど★]
文化祭とかクラス替えとかどうでもいいものに粘着しすぎw