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【ワシントン=田島大志】米国防総省のサブリナ・シン副報道官は11月30日の記者会見で、鹿児島県・屋久島沖での米空軍輸送機CV22オスプレイの墜落事故を受けた即時飛行停止に否定的な考えを示した。当面は捜索・救難活動を優先させ、安全対策については事故原因究明を待つ方針を表明した。日本から正式な飛行停止要請を受けていないとする見解も示した。
シン氏は、現在も米軍が日本でのオスプレイの運用を続けているとし、「事故原因は調査中だ。国防総省は飛行士の安全に対する責任がある。調査(結果)を先取りするつもりはない」と述べた。その上で「事故を極めて深刻に受け止めている。調査の結果、措置を講じる必要があると結論づけられれば、公表する」と述べ、米軍による調査結果を踏まえて追加対策を検討する考えを強調した。
漁業者らに回収された、オスプレイの積み荷の一部とみられるもの(11月30日午後3時49分、鹿児島県屋久島町で)=木佐貫冬星撮影
木原防衛相は、この記者会見に先立つ30日に在日米軍のリッキー・ラップ司令官と会談し、安全性が確認されるまで、オスプレイの飛行を停止するよう要請していた。シン氏は、飛行停止を求める日本側の発言は把握しているとしつつ、「私の知る限り、正式な(飛行停止)要請は受けていない」とも述べた。
これに対し、松野官房長官は1日午前の記者会見で、「米側に対しては、安全が確認されてから飛行を行うよう正式に要請してきている」と強調した。その上で「累次の要請にもかかわらず、安全の確認について十分な説明がない中、飛行が行われていることに懸念を有している」として、要請を続ける考えを示した。
木原氏は1日午前の記者会見で、在日米軍司令官に飛行停止を要請した後の米軍のオスプレイ離着陸回数が計14回に上ると明らかにし、「米側から『徹底的で慎重な整備と安全点検を行った上で運用されている』との説明があった」と述べた。外務省幹部は「日本の立場は伝えている。後は米国の判断だ」と語った。
引用元: ・オスプレイ墜落、米国防総省「飛行停止の要請は受けてない」…当面は安全対策より捜索優先 [WATeR★]