子宮体がんは40代後半から増え始め、50代が最も多く、早期に見つかることが多く比較的治療後の経過が良好ながんといわれます。卵巣がんも50代に多く、進行がんとして見つかることが多い一方、薬物療法の効果が得られやすい特徴もあります。
いずれのがんも年々増加しているため、病気の特徴を知り、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
本記事は、2024年2月下旬に発売予定の『手術数でわかる いい病院2024』で取材した医師の協力のもと作成し、先行してお届けします。
子宮がんには、子宮の入り口にできる子宮頸がんと、子宮の内側(体部)にできる子宮体がんがあります。
子宮頸がんは20~40代の比較的若い女性に多くみられます。このがんの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスに感染することが原因で起こります。
HPVは性交渉により感染し、性交渉の経験がある女性の80%以上が感染するといわれます。
感染しても多くは自然にウイルスが消失しますが、200種類以上あるといわれるHPVの中でハイリスクタイプに持続感染すると、将来、子宮頸がんになるリスクが高まります。
HPVはコンドームでは予防できず、感染予防にはワクチン接種が有効です。
また、子宮頸がんは、進行すると不正出血などの症状がみられますが、初期には症状がないことが多いため、早期発見のためには検診を受けることが重要です。
HPVに感染してから子宮頸がんになるまでには一般的に数年から十数年かかり、がんになる前の段階(前がん病変)を経て、子宮頸がんを発症します。
検診の重要性について、順天堂大学順天堂医院産科・婦人科教授の寺尾泰久医師はこう話します。
「検診を受ければ、がんになる前の段階で細胞の異常を見つけることが可能です。感染した人がすべて子宮頸がんになるわけではありませんが、慎重に経過をみていくことは必要です」
現在、日本では20歳以上の女性では2年に1度、子宮頸がん検診を受けることがすすめられています。
■ワクチンや検診が普及すれば子宮頸がんは減少する
世界保健機関(WHO)は、子宮頸がんの排除に向けた世界的戦略としてワクチン接種と検診を推奨しています。
「イギリスやオーストラリアではワクチン接種がかなり進んでいるため、子宮頸がんも減少しており、オーストラリアでは2028年までに撲滅の基準である年間罹患数が10万人当たり4例未満になると推測されます。
イギリスでは2040年には子宮頸がんを撲滅できるとも言われています。一方、日本はだいぶ遅れていて、ワクチンの接種率も検診の受検率もまだ低いのが現状です」(寺尾医師、以下同)
検診の普及により先進国では子宮頸がんによる死亡率は低下しており、ワクチンや検診により世界全体でも子宮頸がんは減少すると予測されています。
しかし日本では、子宮頸がんになる人も、亡くなる人も増加しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2c1307982654e19df8d7ae804f4d29fb5632213c
https://dot.asahi.com/articles/photo/210874?pid=b3462da4f48458f82f42d3ee5e1aeac277395
引用元: ・【20~40代の子宮頸がんの原因】HPVウイルスは性交渉により感染し、性交渉の経験がある女性の80%以上が感染、感染してから子宮頸がんになるまで数年から十数年