【沖縄】辺野古沖の工事めぐる裁判 県が最高裁への上告の理由書提出

アメリカ軍普天間基地の移設先になっている名護市辺野古沖の地盤の改良工事をめぐる裁判で、福岡高裁那覇支部は先月、国の訴えを認め、沖縄県に対し工事を承認するよう命じました。

県は最高裁に上告し、１９日、その理由をまとめた書類を裁判所に提出しました。

名護市辺野古沖の軟弱地盤の改良工事をめぐり、国は設計変更を申請しましたが、県が「不承認」としたため工事が進まず、代執行に向けて訴えを起こし、福岡高裁那覇支部は先月２０日、国の訴えを認め、県に対し工事を承認するよう命じました。

この判決を不服として県は先月２７日に最高裁判所に上告し、１９日、その理由をまとめた書類を裁判所に提出しました。

判決では、設計変更の申請からおよそ３年半が経過していることなどを踏まえ、承認せずに放置することは社会公共の利益を侵害するとされたことに対し、書類では、その判断の根拠になっている埋め立て事業の必要性を理由とする公益性の判断自体に誤りがあると主張しています。

そのうえで、「県民の明確な民意はそれ自体が『公益』として考慮されるべきで、住民との対話によって社会的合意形成を図ることで解決するほかない。司法が代執行への道を開くことを容認すべきではなく、判決は考慮すべき『公益』を考慮しておらず、変更されなければならない」としています。

一方、最高裁で県側が勝訴するまでは、「代執行」を止める効力はなく、工事を止めることはできません。