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2024年1月24日 19:27
大阪府・市の万博推進本部の会議で講演する吉野氏(24日、大阪市中央区)
大阪府・市が24日に同市内で開催した、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の開催準備を進める「万博推進本部」の会合で、ノーベル化学賞受賞者の吉野彰氏(技術研究組合リチウムイオン電池材料評価研究センター理事長)が講演を行った。吉野氏は「人類の成功体験を共有してほしい」と大阪・関西万博への期待を述べた。推進本部は今回、万博開催の意義を確認する一環として吉野氏を招いた。
吉野氏は「2025年の重要性」と題して講演した。1970年に行われた大阪万博について、現代の「モバイル・IT(情報技術)社会」に向けた端緒になっていたと分析。「大阪万博で展示されたワイヤレステレホンは、『ウィンドウズ95』が発売されてモバイル・IT社会の先駆けとなった25年後の未来を予測していた」と指摘した。
大阪・関西万博が開催される2025年は、25年後の50年に向けて「環境問題への対応やカーボンニュートラル社会の実現に向けて、世界中の研究者が課題解決に向けて動いている」と発言。そのうえで「現在から半分の産業が入れ替わるとされている中で、新しい産業の創造に日本がどのぐらい貢献したかという点が重要だ。25%は日本や日本人が貢献したという状態でなければ、日本の産業はピンチになる」と話した
また、大阪・関西万博に対する要望として吉野氏は「子どもたちが地球環境の問題に過度に不安にならないような情報発信をお願いしたい」と注文。オゾン層破壊への対応など人類の成功体験を大阪・関西万博で共有してほしいとも述べた。
講演後に行われた意見交換会に参加した大阪府の吉村洋文知事は「未来社会の羅針盤を作ることが意義だと改めて確認できた。未来を生きる子どもたちに、2050年を見据えてどういうメッセージを残していくべきか考えていきたい」と述べた。
万博推進本部ではこれまで、大阪・関西万博を開催するにあたり大阪府・市が負担する費用額などを話し合ってきたが、外部から有識者を招いて講演会を開催するのは今回が初めて。
大阪・関西万博をめぐっては、必要経費の上振れなどを受けて開催の意義を疑問視する声が一部からでている。今回、吉野氏を招くことで開催の意義を再確認する狙いがあるもようだ。
引用元: ・ノーベル賞の吉野彰氏、大阪万博に期待 「人類の成功体験共有を」 (2025年大阪・関西万博推進本部第8回会議) [少考さん★]
万博で人類の成功体験って100年くらい前から来たの?