読売新聞オンライン
毒物である青酸化合物について、愛知県警科学捜査研究所(科捜研)の主任研究員・久恒(ひさつね)一晃さん(42)が、摂取の有無を確認するのに、従来の500分の1ほどのごく微量の血液で判断できる手法を開発した。中毒死が疑われても、時間が経過するほど血液は凝固が進んで採取が難しくなるため、新手法によって時間がたっても死因特定につなげられる可能性がある。研究を支援する県警は、数年後の実用化を目指している。(成田沙季)
■500分の1の量
青酸化合物は、強い毒性から毒劇物取締法で取り扱いが規制されている。一方でメッキ加工で使われるなど工業的に利用されており、猛毒の中では比較的入手しやすいとされる。そのため、古くから自殺や他殺に使われてきた。
血中に溶け込むと細胞に酸素を運ぶ機能が阻害され、低酸素状態となって脳や心臓の動きが止まり、短時間で死に至る。死体の特徴から青酸化合物中毒が疑われる場合、今までの検査方法では、1ミリ・リットルほどの血液が必要だった。
新手法は従来の500分の1(2マイクロ・リットル)の量で分析できる。この量だと、大部分が凝固または劣化してしまった血液からでも採取できる可能性が高い。装置による分析時間も、15分から約30秒と大幅な短縮に成功。さらに、装置分析前の「前処理」を簡略化し、試薬を加えるだけになった。
■実験を1000回超
久恒さんは2007年に科捜研職員となり、毒物や薬物に関連する鑑定を多く行ってきた。より効率のいい手法を求め、名古屋大大学院医学系研究科(名古屋市昭和区)にも所属し、研究してきた。
今回の手法を確立するために、血液や試薬の量、分析装置を調整するなどして、約4年で1000回以上の実験を繰り返した。
実用化へは、死後、長い時間が経過した血液を分析した結果を積み重ねる必要がある。ハードルはいくつもあるが、県警は18年から研究費を負担し、久恒さんの研究を後押ししている。
「死因を速やかに特定することは、あらゆる事件で求められている」と語る久恒さん。実用化へ向けて分析装置と向き合う日々を送っている。
引用元: ・ペロッ。これは青酸カリ。←子ども探偵がそんなことしなくても警察には分析機があります。愛知県警 [866556825]
マスターキートンが教えてくれた