https://article.auone.jp/detail/1/4/8/221_8_r_20240221_1708499762214399?page=211月の米大統領選に向けて同盟国を軽視するトランプ前大統領が勢いを増し、欧州はロシアに侵略されるウクライナへの軍事支援で窮地に立たされている。欧州連合(EU)ではドイツを中心に兵器増産の体制づくりが急ピッチで進むが、砲弾供給は目標に遠く届かない。「対応が遅すぎた」との焦りが広がる。
ドイツでは最近、防衛大手ラインメタルが新たな砲弾工場の建設を始めた。年間20万発の生産ラインができる。ショルツ独首相は隣国デンマークの首相と12日の起工式に出席し、「欧州は砲弾の大量生産が必要だ」と意欲を語った。
引用元: ・「アメリカは北朝鮮に負けた」、ウクライナ敗戦濃厚で米国と距離をとる風潮が世界各国に蔓延 [422186189]
需要に応じるまで「10年」ただ、工場のフル稼働は2年以上先だ。同社の経営トップは英BBC放送で、ウクライナと欧州の需要に応じる態勢が整うまでには「10年かかる」と述べた。
ドイツの軍事専門家は「砲弾供給問題は1年半前に分かっていた。欧州政治のせいで対応が遅れた」と指摘する。EUはウクライナ支援総額で昨年、米国をしのいだが、軍需産業は短期間で育成できない。
ドイツはこれまで常に米国の動きを見ながら軍事支援を決め、EU内では慎重派だった。バイデン政権の下で米国の支援にブレーキがかかったのは誤算であり、EU最大の経済国として突然、旗振り役を担わざるをえなくなった。
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ロシアの製造力は10倍にEUを震撼(しんかん)させたのは、北朝鮮が昨年8月以降、ロシアに砲弾100万発を送ったことだ。韓国の報告で明らかになった。
EUは今年3月までの1年間でウクライナに砲弾100万発を送る計画だったが、実際に1月までに提供できたのは33万発。目標には遠く及ばない。ボレルEU外交安全保障上級代表は1月末の記者会見で「域内の砲弾製造力は2年で4割増し、年間100万発になった。年末には140万発になる」と釈明した。
エストニアの分析によると、ロシアの砲弾製造力は今年、年間450万発になり、3年前の10倍に増える。性能や安全性で米欧製に劣っても、消耗戦では物量がモノを言う。
ウクライナのゼレンスキー大統領は2月1日、EU首脳会議で北朝鮮の対露支援に触れ、「負けてはならない」といらだちを語った。
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欧州、米国に兵器調達の6割依存国防増強を進める欧州各国は、兵器調達では域外に依存する。フランスの研究機関、国際関係戦略研究所(IRIS)によると、2023年6月までの1年間、欧州連合(EU)加盟国の兵器は78%がEU域外で調達された。米国だけで63%に上る。
ウクライナ戦争は最新鋭兵器の「見本市」の様相を呈した。米国の高機動ロケット砲システム「ハイマース」はポーランドやバルト諸国が購入を決定。自爆型の無人機「スイッチブレード」はフランスやリトアニアが契約意欲を示す。
米最新鋭戦闘機F35の購入も進んだ。ロシアのウクライナ侵略前、欧州配備は約120機だったのが、2030年には600機になる見込み。欧州としては、ウクライナ侵略を受けNATOで指導力を発揮する米国との関係をさらに強化しようとの狙いもあった。
EUの域外調達では、韓国が米国に次ぐ。ウクライナ支援で枯渇した欧州の武器庫を迅速な供給で支えた。韓国製のK2戦車はポーランドが大量購入。K9自走砲はノルウェーやフィンランドに続き、ルーマニアが購入意欲を示す。トルコの攻撃型無人機バイラクタルもロシア軍戦車への攻撃で威力を発揮し、注目を集めた。
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