2024/03/30 10:46
JR水戸駅(水戸市)のエスカレーターで男性が転倒してその後死亡した事故で、水戸署は29日、司法解剖の結果、死因は窒息死だったと発表した。
茨城県警は男性が転倒後、上着が巻き込まれて胸を締められたとみて事故原因を調べる。
エスカレーターの事故は各地で相次ぎ、業界団体などが正しい乗り方の周知に注力している。
水戸署の発表によると、亡くなった日立市の会社員男性(72)は26日夜、
常磐線のホームから駅コンコースにつながるエスカレーターを上り切った降り口で、うつ伏せに倒れているのが見つかった。
男性は手すり部分の吸い込み口にジャケットの背中の裾が巻き込まれていたという。
捜査関係者によると、防犯カメラには、男性がエスカレーターの降り口で転倒する様子が映っていた。
遺体の上半身には胸や腹部を締め付けられた際にできたとみられるうっ血があったという。
水戸駅では2009年にも、50歳代の女性がエスカレーターにストールを巻き込まれ、死亡する事故が起きている。
県警幹部は「日常で使用するエスカレーターには思わぬ危険が潜んでいる」と警鐘を鳴らす。
歩かず止まり、手すりつかむ
日本エレベーター協会(東京)の調査によると、全国のエスカレーター事故は2018~19年の2年間で1550件発生。
そのうち手すりをつかまずに乗ったり、ステップ上を歩行したりする「乗り方不良」が原因の事故が805件と半数以上を占めているという。
同協会の担当者によると、エスカレーターは「昇降機」に分類され、建築基準法で規定される「階段」の基準は満たしておらず、
前提として「階段としての利用や歩いての移動を想定していない」という。
そのため、業界団体や鉄道事業者などは近年、
エスカレーターで「歩かず立ち止まろう」というキャンペーンを行うなど正しい乗り方の周知に力を入れている。
埼玉県と名古屋市では、エスカレーターの利用者に立ち止まることを義務付けた条例を作っている。埼玉県は全国で初めて21年10月に条例を施行した。
協会の担当者は「エスカレーターを安全に利用するためには『歩かず立ち止まる。手すりをつかむ』ことが大事」と呼びかけ
ている。
引用元: ・警察「エスカレーターには思わぬ危険が潜んでいる」…水戸駅で死亡事故、「正しい乗り方」周知 [武者小路バヌアツ★]