1人暮らしを始めた大学生や、新入社員など若い人が発病して受診が増える時期でもある。全世代に通じる帯状疱疹の予防法について解説する。
帯状疱疹の原因は水痘帯状疱疹ウイルスで、初めて感染すると水痘(水ぼうそう)を起こし、そのままウイルスは体内に潜んでいて、次は帯状疱疹という悪さをする。
アメリカでの研究だが、水痘ワクチンを打って水ぼうそうを予防した子どもたちは、ワクチンを打たず水痘に罹った子どもたちに比べて、ハイティーンでの帯状疱疹のなりやすさが4分の1ほどに低下することがわかっている。
日本では2014年から子どもたちへの水痘ワクチン接種が定期接種となったため、10歳以下の子どもたちは水痘ワクチンを接種している。よって、今後は日本でも10代の帯状疱疹は減少すると予想される。
2014年以前は、水痘は希望者が自費で受ける任意接種だったので、打っていないか、打っても1回だけの場合が多い。
もしこれまで水痘に罹患していないならば、お子さんが何歳でも構わないので弱毒水痘生ワクチンを合計2回になるよう接種すべきだ。
コロナ罹患後に帯状疱疹のリスクが増すのはよく知られた事実だ。また自己免疫疾患など免疫の異常による病気のある人でリスクが高くなるのも何となく理由がわかる気がする。
だが、ありふれた生活習慣病でも帯状疱疹のリスクは上昇する。糖尿病、心臓病、COPD、慢性腎臓病などが代表だ。
カナダの研究者が、さまざまな論文からデータを抽出してメタアナリシス(大規模な解析)を行ったところ、以下の疾病や状態が帯状疱疹のリスクを上げることがわかった。
●帯状疱疹のリスクを増す諸条件
家族歴 148%
がん 117%
全身性エリテマトーデス 108%
外傷 101%
関節リウマチ 51%
精神的ストレス 47%
COPD 41%
心血管病 34%
炎症性腸疾患 32%
慢性腎臓病 29%
気管支喘息 24%
糖尿病 24%
うつ病 23%
疾病だけでなく、精神的ストレスや身体的な外傷後も帯状疱疹リスクが上がる。また、家族歴は血縁者のことであり、祖父母、父母、兄弟、いとこ、甥や姪がこれに当たる。
つまり、両親のいずれかが帯状疱疹に罹患したことがある場合、自分も発病リスクが高いということだ。
台湾からの研究報告では、糖尿病の人は帯状疱疹のリスクが38%増加し、さらに冠動脈疾患や脳梗塞、末梢血管病、心不全などの心血管病を合併すると19%リスクが上昇すると解析している。
つまり、心血管病を合併した糖尿病患者では64%もリスクが高まるのだ。
また、免疫が関係する疾病や、その治療薬がリスクを上げることが知られている。
身近なところでは、アトピー性皮膚炎の患者さんは帯状疱疹のリスクが18~33%高いことが報告されている。
https://toyokeizai.net/articles/-/747662#:~:text=%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3
引用元: ・【米研究】水痘ワクチンを打って水ぼうそうを予防した子どもたちは、ワクチンを打たず水痘に罹った子どもたちに比べて、ハイティーンでの帯状疱疹のなりやすさが4分の1ほどに低下する