しかし、韓国社会における日本への怒りは容易には収まらない見通しだ。
■怒る韓国、理解できない日本
韓国社会では、今回の佐渡鉱山の追悼式で誠意をまったく見せなかった日本に対する失望が広がっている。
また、7月のユネスコ世界文化遺産登録過程での不備を補い、日韓間の歴史問題をより成熟した形で進める絶好の機会を逃した日本への怒りも相当なものだ。
韓国の失望と怒りがこれほど大きいことを、日本側はまったく理解していないようだ。韓国が求めた通り、日本政府は政務官級の人物を派遣し、追悼辞では「朝鮮半島出身労働者」(日本式表現)への哀悼も示したではないか、という反応だ。
日本政府が代表として生稲晃子外務政務官を派遣したのは、その人物の業務範囲内のことであり、2年前に靖国神社を参拝したという『共同通信』の報道は誤報であったとして訂正記事も出たので、問題はないという立場だ。
むしろ追悼式に不参加だった韓国に遺憾を表し、「韓国が過剰反応している」という外務省関係者の発言まであった。日本の『産経新聞』は、韓国の「反日病」が再発したとする社説を掲載した。
はたして本当にそうだろうか。
7月の佐渡鉱山世界文化遺産登録当時、日本政府代表は世界遺産委員会の審議に対して、△佐渡鉱山のすべての労働者、特に「朝鮮半島出身労働者」を誠実に記憶し、△佐渡鉱山の全体的な歴史を包括的に扱う説明と展示施設を強化するための努力を継続し、△毎年追悼式を開催すると約束した。しかし、全世界を対象にしたこの約束は跡形もなく消え去った。
そのわずか4カ月後、地方自治体と民間レベルで開催された追悼式に、日本政府代表は「挨拶」をしに来た。そして「追悼辞」ではなく「挨拶」を述べた。その内容も7月のユネスコでの発表内容には遠く及ばないものだった。当時の発表では「過酷な環境で課された義務に違反した場合、懲役や収監、罰金が科されるなど、不当な扱いを受けた」という事実上の強制労働を意味する内容が含まれていたが、今回はそれが削除されていた。
生稲政務官の挨拶では、犠牲者は「戦争という特異な状況とはいえ、遠く異国の地で愛する家族に会えず、戦後も故郷に戻れなかった気の毒な労働者」と矮小化されていた。7月の発表当時に触れられた「危険な事故で死亡し、月平均28日間働く過酷な労働の中で逃げ出して捕まると刑務所に収監された朝鮮人」は、今回の発言では「佐渡鉱山の輝かしい歴史を築いた人々」に変えられていた。
今回の日本政府代表の挨拶には、7月当時に発表された苦痛を伴う状況を正確に反映した表現は一切なかった。謝罪や反省もなかった。ただ彼らの努力への敬意と亡くなった方々への哀悼のみが述べられた。
また、当時鉱山の採掘業務に動員されたのは朝鮮人だけではないが、不足した労働力を補うために動員された「無宿人」(逮捕された住所不明者やホームレスに準ずる表現)と、日本の国権侵奪によって強制動員された朝鮮人を同列に扱い、なぜ1500人近い朝鮮人が日本で苦しんだのかをわからなくするような表現で問題を薄めた。
さらに挨拶の最後には、新潟県と韓国のハロウィン祭りを取り上げ、日韓文化交流へ話題を転じた。このような理解しがたい思考の流れは、発言者も、聞き手も、佐渡鉱山の歴史も、今回の追悼式の意義もまったく理解していない印象を与えるには十分だった。
もし、このような基本的事実すら知らずに追悼式に臨んだのなら「職務怠慢」であり、知っていてこのような発言をしたのなら「無能」だ。それでもないなら、意図的であったとしか考えられない。
■現在の日韓間の対話の反省と改善の必要性
7月に日本政府代表が全世界に向けて約束した△日本政府による追悼式の開催、△朝鮮人労働者への誠実な記憶、△4カ月間の展示施設改善への努力は見当たらなかった。
これにより、韓国は日本の約束不履行を指摘せざるを得なくなり、今後、日本が他の世界文化遺産登録を希望した際に韓国の同意を得るのはさらに困難になるだろう。このような状況にもかかわらず、日本は問題の深刻さを理解していないように見える。
以下全文はソース先で
サーチコリア 2024年12月01日
https://searchkoreanews.jp/opinion_topic/id=32731
引用元: ・怒る韓国、理解できない日本…日韓関係がどれほど“不安定”なのかを明らかにした佐渡金山追悼式 [12/1] [ばーど★]