【東京新聞】 習近平氏が見つめる先は台湾統一か　マカオの一国二制度「実践は大成功を収めた」と胸を張る返還25年式典

　【北京＝河北彬光】中国の特別行政区マカオは20日、ポルトガルから返還されて25年を迎えた。
マカオでの記念式典に出席した習近平（しゅうきんぺい）国家主席は、高度な自治を認めるとした一国二制度に関し
「マカオの特色ある制度の実践は大成功を収めた」と成果を誇示した。　習氏は1999年の返還以降のマカオを「愛国者による統治の原則が実施され、民主制度は整った」と強調。
「一国二制度は優位性と生命力を備え、香港とマカオを長期にわたり安定的に繁栄させている」と述べた。
一国二制度は台湾を統一するため考案された歴史的経緯があり、正統性を内外に示す狙いも透ける。

マカオはカジノ運営の外資開放や中国本土からの観光客で潤い、2023年の域内総生産（GDP）は返還時の7倍超に伸びた。
その半面、共産党指導部は反腐敗運動の一環でカジノ産業への締め付けも強めている。習氏は式典で経済成長を誇った一方、
産業多様化を目指す政府方針に触れ「この位置付けに反する産業プロジェクトは展開してはならない」とも語った。

◆マカオ政府トップに初めて中国本土出身者が就任

10月の選挙で当選し、新たにマカオ政府トップの行政長官となる親中派の岑浩輝（しんこうき）氏（62）の就任式もあった。
岑氏は広東省生まれで、本土出身者が就くのは初めて。

同じ特別行政区の香港は中国政府が統制を強めるまで民主化運動が盛んだったが、マカオは中国本土との関係が比較的安定し、
一国二制度の「優等生」とも言われる。

2024年12月21日 06時00分
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