「らしさ」の欠如
杉浦 圭街歩きライター
名古屋観光が物足りなく感じるのはなぜか
東京、大阪と並び、日本三大都市の一つとされる名古屋。名古屋駅や栄の繁華街はいつも多くの人でにぎわっている。名古屋市を中心に愛知県の訪日外国人客数は年々増加しており、全国で6位にランクインするほどだ。
一方で、名古屋市の観光地として「物足りない」と感じる人が多いようだ。それは、名古屋市が2016年、2018年に行った「都市ブランド・イメージ調査」の結果にも表れている。この調査で名古屋市は、「最も魅力的な街」「遊びに行きたいと思う」の項目で最下位を叩き出してしまった。
この感覚は名古屋で約2年間暮らしていた筆者にも納得できるものだ。
「意外と何もない」という不思議な印象で、同様に名古屋に移り住んだ友人や知人も「住むには便利だが、見どころが少ない」と口をそろえる。
しかし、名古屋の「何もなさ」とは、単に観光地が少ないという意味ではない。むしろ、東京や大阪などの大都市からアクセスが良く、観光スポットもそろっている。
にも関わらず、兵庫県出身で大阪や神戸で過ごした経験を持つ筆者にとって、名古屋の街はどこか物足りない。その理由は『街にテーマがない』ことに起因しているのではないかと考えている。
今回は、住んでいる人の視点ではなく、外から来た人たちの目に映る名古屋の「何もなさ」の正体を探る。
観光スポットが点在している
名古屋に引っ越した当初、観光客らしく地元の観光地を巡ろうとしたことがある。名古屋城、名古屋港水族館、レゴランド、東山動物園…と、一度は耳にしたことがあるスポットがそろっていて期待が高まった。
しかし、これらの観光スポットは街全体に点在しており、効率良く回るのは難しい。
同じ港区内にある名古屋港水族館とレゴランドでさえ、電車とバスを乗り継いで約40分かかる。移動に時間がかかる上に、それぞれの観光スポットが独立しているため、1カ所を訪れた時点で「今日はもう十分観光した」と感じてしまいがちだ。
また、観光地そのものも「一度行けば十分」と思われがちだ。
たとえば、名古屋城を訪れた際、壮大な城と江戸時代風の飲食店街「金シャチ横丁」を楽しんだが、それ以上の体験が広がらず、滞在時間はわずか2時間ほどだった。
同様に、熱田神宮も神聖な雰囲気を味わえたものの、周辺に観光客向けの店舗や施設が少なく、訪問後は他の観光地に移動するしかなかった。
熱田神宮近くにある「神宮前商店街」シャッター街が目立つ
さらに、動物園や水族館といった施設も「名古屋でなければ体験できない」という特別感が薄い。たとえば上野動物園や大阪の海と比較すると、「移動の手間をかけてでも行きたい」と思わせる魅力に欠けているのだ。
「上野はアートの街」、「アメ村は若者カルチャーの発信地」といったように、他の都市ではエリアごとに明確なテーマや個性が見られる一方、名古屋ではそれぞれの観光地が孤立している印象を受ける。「名古屋らしさ」を感じさせるような突出したウリのない観光スポットが、各地に点在してしまっているのだ。
https://gendai.media/articles/-/143159?page=2
名古屋駅周辺の繁華街が抱える難点
https://gendai.media/articles/-/143159?page=3
引用元: ・名古屋だけが観光地として「物足りない」のはなぜ…「充実し過ぎる街」が抱える問題点
東京、大阪は食べ物、呑み屋だけでも行きたい、滞在したい
お店周りしたい