早期に発達障害の兆候を発見し、症状の改善につなげるのが狙いの一つだが、必ずしもメリットばかりではないという指摘もあるようだ。
◼「5歳児健診」の実施率は15%
日本小児科医会のマニュアルによると、5歳児健診でチェックする内容は「身体発育状況」「栄養状態」「精神発達の状況」「言語障害の有無」「育児上問題となる事項の確認」(生活習慣の自立、社会性の発達、しつけ、食事、事故等)「その他の疾病及び異常の有無」の6項目となっている。
現状では母子保健法により、「1歳6ヵ月児健診」および「3歳児検診」の実施が各市町村で義務付けられている。
一方、5歳児健診は任意となっており、令和3(2021)年度厚生労働省母子保健調査では実施率が15.0%にとどまっている。
子ども家庭庁による5歳児健診の普及を進める取り組みについて、著書に『子どもが「発達障害」と疑われたときに読む本』(講談社)があり、小児科医の成田奈緒子氏が解説する。
「以前から、『多くのお子さんにとって5歳児健診は必要』という指摘はあったため、実施率を上げていく方針はいいことです。また、必ずしも発達障害の早期発見だけに特化しているわけではなく、言語の発達や歩行能力、筋肉の発達などに問題がないか、チェックする意義もあります」
(成田氏、以下「」も)
◼「発達障害もどき」が急増
「発達障害」とは、ADHD(注意欠陥多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)、LD(学習障害)などの障害の総称を主に指す。
近年、その発達障害と診断される子どもが年々急増していると言われており、文部科学省のある調査によると、2006年時点で発達障害児の数は全国で7000人足らずだったものの、2020年にはその数が約14倍の9万人を超えたとされている。
5歳児健診が普及されること自体、決して悪いことでないように思える。しかし、発達障害の早期発見に関しては、問題点もあるという。
「5歳の段階だと判断が早い場合もあり、それがいわゆる『発達障害もどき』の問題です。発達障害もどきとは、ひと言でいうと『発達障害の診断がつかないのに、発達障害と見分けがつかない症候を示している状態』のこと。
特異的な活動、落ち着きがない、他の子に対して一方的に話しかけるといった行動が確認できたとしても、それだけを根拠にADHDやASDと診断名をつけてしまうのは、私としては疑問に感じています。
5歳の時点で問題があったとしても、就学前検診の時点で集団の中でうまくやっていけるレベルまで変容するケースはよくある話。なので、そういった子たちまで発達障害として一括りにすることには抵抗があります」
◼子どもの前では言葉を選ぶ
早い時期から、安易に発達障害という診断名をつけることによって、子どもの成長を妨げてしまうこともあり得るという。
「私自身も小児科医として、小さいお子さんを持つ親御さんからたくさんご相談を受けています。その中でも多いのは、幼稚園や保育園、小学生の教員から『お子さんが集団内で浮いていて、発達障害なのかもしれません』と言われたケースです。
知的障害もなく、むしろ聡明なタイプなのにもかかわらず、その子を発達障害と決めつけ、すぐ病院に連れていってしまうと、その体験がトラウマになったり、自己肯定感が低下したりする可能性があります。そのため、私は診察する際、すごく気をつけていて、子どもの前では具体的な診断名など、センシティブな言葉は絶対言わないようにしています」
発達障害という診断名が子どもに伝わってしまうことで、将来的な人格形成や親子関係にも悪影響が及ぶ可能性もある。
続きは↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/ca639cd8786aa1fa2afc6f59b486821bbf54987e
[現代ビジネス]
2025/1/14(火) 9:04
引用元: ・【こども家庭庁】「5歳児健診」義務化の動きに潜む《あぶない罠》…健康な子どもでも「発達障害」と診断されてしまうリスクも [煮卵★]
特定の仕事につけないようにするべき
親がその分野の大学教授だけども、わりと深刻なんだと話してた
今って人それぞれだとか、個性を尊重する社会とか言ってるけどその一方で個性を病気扱いして区別する傾向って、矛盾してるなと思う
他方で将来的には成長とともに自然に改善する子どもまでその時点で遅れているからと区別することへの課題がある